移り変わる景色と地元食材と。1日1組の宿で能登をじっくり味わう。【石川県七尾市|ヴィラ・デラ・パーチェ】
Travel 2025.03.31
旅の楽しみといえば、その土地ならではのグルメ体験。地元食材を生かし、創造的な料理と丁寧なホスピタリティでゲストをもてなすオーベルジュを目的地に、グルマンな旅の計画を立てよう。
ヴィラ・デラ・パーチェ
[ 石川県 ] 七尾市
大きな窓から、晴れた日には立山連峰も見渡せるそう。穏やかな海辺には地域に愛される猫の姿も。
一日一組だけが味わえる、移り変わる景色のごちそう。
東京のイタリア料理店で働いていた時、食材の生産地に能登が多かったことから人との繋がりが生まれ、2016年に移住して七尾市街にレストランをオープンした平田明珠シェフ。当時からオーベルジュの構想はあり、中心地から車で20分ほど離れた、海水浴場だったこの場所に魅かれていたそう。20年11月、元海の家を改装してレストランに、別棟に宿泊施設を設けた。「料理は七尾湾の静かな景色を楽しんでもらうための一部」と言い、時には生産者の畑を訪ね、地元の食材を自分たちで仕入れて提供。イタリアンをベースとした月替わりの9~10皿のコース仕立てで、塩士卓也ソムリエがイタリアと日本海側を中心としたワインを合わせる。石川県の作家もののうつわに、能登の自然が一皿ずつ描かれていくよう。宿泊したら、一日で移り変わる海山の景色をゆっくり眺め、周囲を散歩して、食事の時間だけではわからなかった、この地を丸ごと味わう体験を。
シグネチャーの「畑」。旬の野菜に加え、季節が異なる野菜はピクルスや漬物などにして四季を一皿に。塩とオリーブオイルでシンプルにいただく。
ある日のメイン「猪 沢野ごぼう」。骨付き肉をじっくり火入れしてローストにし、能登の伝統野菜のひとつで直径3cmはある香りのよい沢野ごぼうを添えて。外来利用も可能で、昼夜ともにコース¥19,800。
グラスペアリング¥11,000~。奥の「メイガンマ/ビアンコ・クアルト」は「畑」(写真右上)と。長野県の「アパチャーファーム&ワイナリー/ディペンド・オン・ユー 2022」など、日本ワインも多く揃える。
4名まで宿泊可能。ピープルツリーのパジャマ、今治タオル、ネモハモのアメニティなど、ほどよいナチュラル感。
ヴィラ・デラ・パーチェ
石川県七尾市中島町塩津乙は部26-1
0767-88-9017
全1室 1日1組限定 1室(2~4名) バスタブ付き
1名¥42,000~(2食付き)
休)火~木
レストラン:
営)12:00~、18:00~ ※一斉スタート
休)火~木
要予約
@villa_della_pace
*「フィガロジャポン」2025年3月号より抜粋
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photography: Akemi Kurosaka