お菓子の街で、行くべき旬のパティスリー 未来を切り開く、旬のパティシエール。【ジャッド・ジュナン】
Paris 2023.05.04
フランス人が愛する定番スイーツ12のナンバーワンを集めたお菓子リストと、いま注目の女性パティシエールをチェックして。
Jade Genin
ジャッド・ジュナン
幼い頃から親しんだ、次世代に繋ぐチョコレート
オペラ通りに2022年11月、ショコラティエを開業したジャッド・ジュナン。フランスを代表するショコラティエ、ジャック・ジュナンの一人娘で、弁護士として5年間活動した後、ショコラティエに転身した。
「弁護士の仕事をしたことで、自分にとってチョコレートがいかに大切なのか気付けました」と当時を振り返る。
19年から父のもとで働いていたが、父のスタイルを尊重しながら自身の世界を表現すべく、ブランドを設立。
「父から学んだことは、働くことの重要さ、質の高い素材を選ぶこと、シンプルな中にこそ本質や価値が現れるということ。小さなピラミッドの中に、素材の味と香りを凝縮させたチョコレートを作りたいと思ったのです」
ベースのチョコレートは、ホンジュラスの農家が砂糖もバニラ香料も添加せずに加工したもの。動物由来の素材は使わないため、力強く、かつ軽やかな味が実現できる。
バニラやコーヒーといったクラシックなフレーバーから、オイスターリーフと海藻、オレガノに似た香りを持つザータルの葉と大麦を混ぜた独創的なプラリネまで約20種。白とゴールドでまとめたミニマルな店内に、ひとつひとつ筆で描いた色のニュアンスがリズムを与えている。
幼い頃から父の横でチョコレートとともに育ったジャッドは「いまでもチョコレートに触れていると時間を忘れてしまう」とほほえむ。1月のガレット・デ・ロワに続いて、今春にも父との共作を発表する予定だ。
ルーヴル美術館のピラミッドやコンコルド広場のオベリスクからインスピレーションを受けたデザイン。ヘーゼルナッツやピスタチオのプラリネにはナッツが70%以上と贅沢に含まれる。なめらかなガナッシュには、白砂糖ではなく無精製のキビ糖、ナッツと植物性オイルを使う。写真は45個入り、38ユーロ
装飾に使うのは野菜やフルーツ由来の着色料。
エレガントでラグジュアリーな店内からは、奥にある工房の様子も見える。
Jade Genin
33, avenue de l’Opéra 75002
tel:09-87-07-17-79
ⓂOPÉRA、PYRAMIDES
営)11:00~19:00(火~金) 11:00~19:30(土) 11:30~18:30(日)
休)月
https://jadegenin.fr
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●1ユーロ=149円(2023年5月現在)
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*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋
photography: Shiro Muramatsu text: Chiaki Mitomi