グラン・パレ、複数のプログラムを揃えて大興奮の再開。

Paris 2025.08.14

グラン・パレなら知っている、行ったことがあるという人も、6月にリニューアルオープンされたいまのグラン・パレには驚かされるはず。大改修工事が始まったのは2021年。去年夏のパリ・オリピックの会場となった部分から、徐々に再開されていった。そして6月20日から、これまで一般公開されていなかった場所も含め、リニューアルされた美しい姿で全館が来場者を迎え入れている。

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建物の右サイドの入り口から入る館内は、個別に料金を払う展覧会場と広い無料スペースで構成されている。photography: Mariko Omura

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左:専用入り口を持つレストランLe Grand Café。テラス席からは向かいのプティ・パレが眺められる。毎日12時から翌2時までの営業。 右::鉄に施されたペイントはレゼダ・グリーン。photography: Mariko Omura

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シャネルがエクスクルーシブ・メセナを務めるグラン・パレ。見逃しそうな場所だが、館内には偶然にもライオンの装飾が。photography: Mariko Omura

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プティ・パレに向かい合う側のエントランスから入るおなじみのガラス屋根から光が差し込むネフ(身廊)側が再開され、そちら側から入場するイベントは実に内容豊富。9月7日まで開催しているバルーン・ミュージアムの『Euphoria : Art is in the air』は現代アーティストたちによる遊び心いっぱいのインスタレーションの魅力が溢れ、料金が安くないにも関わらず大盛況である。これはガラス屋根の下に広がる"ネフ"と呼ばれるスペースで9月7日まで続くプログラム「グラン・パレの夏」のひとつ。他には、ダンスあり、インスタレーションあり、コンサートあり、DJセットあり......と、なんだか陽気で楽しいのだ。というのも、アイディアは"お祭りの宮殿"ということから。グラン・パレは1900年の万国世界博覧会のために建築され、その後、戦時中病院だった期間があるものの、会場内に車や飛行機が入り、また気球が飛んだり、いろいろなことが催された楽しい場所だった。そのスピリットを取り戻そう、ということなのだ。

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『Euphoria : Art in the air』展は9月7日まで。料金27ユーロ。photography: Mariko Omura

もうひとつの入り口(17, avenue Général -Eisenhower)から入るスペースにはブティックとカフェレストラン、そして複数の展覧会場がある。

地下ではグラン・パレで初めての子供のための展覧会『Transparence』が2027年8月29日まで開催されている。遊びを盛り込んだ参加型の展覧会で対象は2歳から10歳まで。開催期間が長いので、例えば今年4歳の子どもなら6歳の時に再訪して、異なる発見をすることができるのだ。『Art brut』展(9月21日まで)は、Bruno Decharmeが45年をかけてコレクションした作品400点を展示するもの。芸術のどのジャンルにも当てはまらない、一般の規範から漏れる作品を集めた珍しい展覧会である。ポンピドゥー・センターとのコラボレーションによる『NIkki de Saint Phalle, Jean Tinguely, Pontus Hulten』展(2026年1月4日まで)。これはニキ・ドゥ・サン・ファールとジャン・タンゲリイという芸術界の伝説的カップルの作品と、ポンピドゥー・センターの初代ディレクターだったポントゥス・フルテンのキュレーターの視線という展覧会である。ポンピドゥー・センターが工事でクローズする期間中、グラン・パレではこの他にもコラボレーションの展覧会を行うそうだ。

こちらの記事で紹介したシャネルのle 19mが手がけたカーテンを見ることができるのも、この入り口からのスペースである。植物レゼダ特有の緑色も含め、グラン・パレの美しく蘇った1900年の建築や装飾と合わせて見学を。

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透明って何?を遊びながら学ぶ子供のための展覧会『Transparence』展。2027年8月29日まで。料金13ユーロ(2歳以下無料)photography: Mariko Omura

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来年1月4日まで開催の『NIkki de Saint Phalle, Jean Tinguely, Pontus Hulten』展より。料金17ユーロ。photography: Mariko Omura

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珍しい『Art brut』展。料金15ユーロ。photography: Mariko Omura

Grand Palais
1, avenue Winston Churchill 75008  Paris
17, avenue Général -Eisenhower 75008 Paris
https://www.grandpalais.fr/fr
@le_grand_palais

Google Map

editing: Mariko Omura

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