ロック・モーテルも楽しい、ボン・マルシェの「ロックン・ドロール」展。

Paris 2025.09.25

左岸のデパートLe Bon Marchéでは年に二回テーマを決めて、デパート中を使った大イベントを開催している。この秋はロックンロールをもじった「Rock'n' Drôle（ロックン・ドロール）」展である。ドロールとは"滑稽"や"おかしい"といった意味。キュレーターを務めているのはアントワーヌ・ドゥ・コーヌといってフランスでは有名なテレビの司会者であり、ジャーナリストであり、また俳優である。イベントのビジュアルイメージを任されたのはイラストレーターのZEPだ。彼が描くのは、アントワーヌが彼が進行を務めた番組「Les Nuls」で扮したロッカー、ディディエ・ランブルイユ。革ジャン、ジーンズ、ブーツそしてロッカーの前髪を大げさに誇張したバナナヘアスタイルのディディエのイラストが外のウインドー、デパート内、有名なX型のエスカレーターなどあちこちに。

館内はZEPのイラストにジャックされた雰囲気。グッズも販売されている。

デパートが開催するイベントゆえ、購入欲を刺激する仕掛けはもちろん。ロック・マインドのモード、アクセサリー、インテリア雑貨、小物などが1階の売り場に大集合している。2階には古着のキリウォッチのコーナーやレコードのBonjour Jacobのコーナーが設けられ、さらにこのテーマにふさわしくギターのGibsonの"世界初のオンリー・ブティック"までもと、気合の入ったイベントなのだ。

左：1階売り場。　右：2階のキリウォッチのコーナーでロックなヴィンテージ漁り！

通常はボン・マルシェで扱っていないファッション・ブランドもテーマに合わせて豊富に揃えられている。

買い物をしなくても楽しめるのは3階のロック・モーテルだ。ビートルズ、キース・リチャード、プリンス、デヴィッド・ボウイ......アントワーヌが愛するロッカーたちに捧げた10室を見学できる。リタ・ミツコの部屋のギターだけはリタ本人からの借用だけれど、部屋のインテリアに用いられているのはほとんどがアントワーヌ・ドゥ・コーヌのコレクションからというから、これは驚きだ。会期中、ぜひロック・モーテルにいってみよう。