ビュッシュ(薪)はどこへいったの? 個性を競う2025年のクリスマスケーキ。
Paris 2025.11.05
家族が囲む12月24日のディナーを締めくくるクリスマスケーキのビュッシュ・ドゥ・ノエル。ビュッシュとは薪の意味で、高級パティシエから街のパン屋さんまで、クリスマス時期のショーウィンドウは味と装飾の趣向を凝らした薪型のクリスマスケーキでどこも賑わっていたものだった。
それが、この何年か前から様子が違ってきていて、各メゾンがファンタジーを駆使して薪のフォルムではない魅惑的なクリスマスケーキをクリエイト。2025年のノエルには例えば以前に紹介したカフェ・ドゥ・ラペのようにバレエのチュチュだったり、この傾向がますます強まった感がある。各メゾンが創造性を思いっきり発揮したシグネチャーものの''ビュッシュ・ドゥ・ノエル''、今年も目で味わって!
Park Hyatt Paris - Vendôme
パークハイアット パリ・ヴァンドーム

130ユーロ(6~8名用)。
ジュエリーのようなパティスリーはオテル・パークハイアットのシェフ・パティシエールであるNarae Kimの得意とするところ。2025年のノエルのために彼女がクリエイトしたのは、冬の自然にオマージュを捧げるヤドリギのブローチだ。キウイとグリーンアップルの新鮮な味わい、サパンの若芽の香り、高山植物ジェネピのムースの優しさ、ヴァニラ・ガナッシュの甘み、松の実のカリカリした食感。この繊細なおいしさを堪能するには、美しいブローチにフォークを入れる大きな勇気が必要となりそう。販売は12月。
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Ducasse Baccarat
デュカス・バカラ

90ユーロ(6名用)。
エコール・デュカスとデュカス・バカラによるクリスマス・ケーキのPampille d'Hiver(パンピーユ・ディヴェール)は、バカラのシャンデリアの証である1粒の赤いパンピーユがインスピレーション源。エコール・デュカスとデュカス・バカラのシェフのクリエイティビティとサヴォワール・フェールが込められている。12月1日から予約が可能。ピックアップは12月15〜23日に、Ecole Ducasse Paris Campus(16, avenue du Maréchal Juin, 92360 Meudon)のブティックにて。12月15日から25日、レストランDucasse Baccaratのランチメニューでも味わえる。
11, place des États-Unis
75116 Paris
https://www.ducasse-baccarat-paris.com/en/
@ducassebaccarat
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Christophe Michalak
クリストフ・ミシャラク

95ユーロ(8名用)。
クリストフ・ミシャラクにはクラシックなビュッシュもいろいろあるけれど、それに加えて今年のノエルのために彼はLa Bûche aux lettres(ラ・ビュッシュ・オ・レットル)を特別にクリエイトした。彼が子供の頃にサンタクロースに手紙を書いた思い出を込めて、郵便受けのクリスマスケーキである。
8, rue du Vieux Colombier
75006 Paris
https://www.christophemichalak.com/
@christophemichalak
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La Maison du Chocolat
メゾン・デュ・ショコラ

210ユーロ(8〜10名用)。©Maud Rémy-Lonvis
永遠のパリ(Paris Eternel)がテーマのクリスマス・コレクション。イヴのディナーの締めくくりにはBuche Garnier(ビュッシュ・ガルニエ)を。12月1日からブティックかホームページにて予約ができ、引き取りは12月23、24日にブティックにて。
19, rue de Sèvres
75006 Paris
https://www.lamaisonduchocolat.com/fr_fr
@lamaisonduchocolat_paris
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Angelina × Rouje
アンジェリーナ×ルージュ

95ユーロ(8名用)。
ジャンヌ・ダマスのブランドRouje(ルージュ)のバッグを、サイズは少し小さいもものデザインそのままにアンジェリーナがクリスマスケーキに。あまりにリアルでつい肩に掛けてしまいそう! ブティックにて12月1日より予約受付。
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Robuchon Monaco
ロブション・モナコ

89ユーロ(6名用)。
モナコに昨年オープンしたレストランRobuchon Monaco(ロブション・モナコ)。マンディアンを詰めたサパンと雪だるまという、クリスマス気分満載のチャーミングなクリエイションだ。12月第1週より予約受付。
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Nina Métayer
ニナ・メタイエ

150ユーロ(10名用)。
ニナ・メタイエのクリスマス・ボールは超限定! 写真を見ただけでも、これを作るにはさぞかし技術と根気が要りそう、というクリスマスケーキだ。なお一人用もあり、そちらは10.50ユーロ。12月1日から予約開始。ピックアップはPrintemps du Goûtにて。
Printemps du goût(Printemps メンズ館)
2 Rue du Havre 8e étage
75008 Paris
https://delicatisserie.com/
@delicatisserieofficiel
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Lenôtre
ルノートル

190ユーロ(8〜10名)。
ルノートルからはLe train des merveilles(ル・トラン・デ・メルヴェイユ)。先頭のチョコレートの機関車が2両のビュッシュを牽引する列車は、メゾンのシェフパティシエのエティエンヌ・ロルワによる夢が溢れるクリエイションだ。12月17日より販売。
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Le Jules Verne
ル・ジュール・ヴェルヌ

150ユーロ(6〜8名用)。
エッフェル塔の2つ星レストランJules Vernes(ジュール・ヴェルヌ)は、その名を授けた作家の冒険小説にぴったりな望遠鏡型のビュッシュ・ドゥ・ノエルVoyage Extraordinaireだ。ホワイトチョコレート、柑橘類、クリスマス・スパイスのムース......。注文受付は11月25日から。
Avenue Gustave Eiffel 2ème, Eiffel Tower
Av. Anatole France, 75007 Paris
https://www.restaurants-toureiffel.com/fr/restaurant-jules-verne.html
@lejulesverneparis
注文受付
reservation.jv@lejulesverne-paris.com
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Hôtel de Crillon × Christofle
ホテル・ドゥ・クリヨン×クリストフル

110ユーロ(6〜8名用)。
オテル・ドゥ・クリヨンが今年のノエルのコラボレーターに選んだのはクリストフル。フランスの卓越したアール・ドゥ・ヴィーヴルを代表する2つのメゾンによるビュッシュは、屋根に雪を乗せたホテルの建物のファサードだ。クリストフルのマルメゾン・アンペリアル・モチーフにインスパイアされたクリエイション。11月10日から予約開始(ホテル内Butterfly Patisserieにて)。
6 Rue Boissy d'Anglas
75008 Paris
https://www.rosewoodhotels.com/fr/hotel-de-crillon/dining/butterfly-patisserie
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Arbane
アルバンヌ

75ユーロ(6〜8名用)。
パリではなくシャンパーニュ地方のランスから。アール・デコ展100年を祝う2025年ならではの話題を。それはビュッシュのClarte 1925だ。レストランArbaneのシェフであるフィリップ・ミルとM Receptionsのシェフ・パティシエであるティボー・ベルナールによるクリエイションは、ランスのアール・デコ建築を代表するカーネギー図書館のシャンデリアがインスピレーション源となっている。11月25日から12月30日までフィリップ・ミルのポップアップブティックにて。
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Jeffrey Cagnes
ジェフリー・カーニュ

95ユーロ(8名用)。
イタリア出身のジェフリー・カーニュがクリスマスの食卓に提案するのは、なんと祖国の名所であるピサの斜塔だ。200個限定生産。12月24日の晩に200塔がお皿の上に倒れることになる! 11月19日から予約受付。
editing: Mariko Omura






