モンマルトルのヴィヴィッドで、100%ヴェジェタルのコース料理体験を。

Paris 2025.11.20

18区のダンクール通り。ロシュシュアール大通りとシャーリー・デュラン広場を結ぶ短い道にレストランが林立している。先日紹介したル・ボン・ボックの向かいに、10月後半、Vivide(ヴィヴィッド)がオープンした。この店は2023年に9区に開いたレストランPristine(プリスティーヌ)を成功させたミッシェルとジェレミーの二人の新たな冒険で、地球と環境に優しい100%ヴェジェタルの6皿の1コース(75ユーロ)のみというなかなか大胆なガストロノミー・レストランだ。メニュー外のアミューズブーシュに始まり、デザートも含めたコースの6皿、そしてメニュー外のミニャルディーズで終わる食事なのでとても充実している。

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左:始まりは甘酸っぱく少しスパイシーなブイヨン、海藻タラマ、糖蜜と味噌のクラッカー、セージの蒸しパンなどから。味蕾が目覚める! 右:締めくくりにはポッキーを模したミカドやチョコレート・マシュマロでおなじみのクマさん型のとろとろジェリー。photography: 左 ©Vivide、右 Mariko Omura

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後列がヴィヴィッド創業者のJérémy GrosdidierとMichelle Primc。

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こちらの店でも動物由来の食材を使わず、野菜に愛を傾ける二人が食事客に提案するのは、パリの他のレストランでは決して味わえない野菜料理の数々。お皿の数だけ驚きがあるのだ。シェフのジェレミーの創造性を支えるのは、燻製、発酵、塩焼き、炭火焼きなど彼が精通している技術である。使うのは季節の素材ばかりなので6皿の内容は頻繁に変わることになり、シェフの研ぎ澄まされた直感がものを言うコース料理といえよう。

レストランの外に張り出されたある晩のコース内容はというと、1. 根パセリ、干し草、唐辛子、海藻、2. ヘーゼルナッツ&スペルト小麦のパンのタルト、3. 燻製バターナッツ、味噌、アーモンド、種、4. 冷製ミックス野菜、ナスタチウム、エシャロットのドレッシング、5. プルロット茸の炭火焼き、セップ茸、野生のリンボク、6. ライス&レンヌ・デ・プレ(プレデザート)、シトロン・ベルガモット、そば、ホグウィ。

味を想像するのが難しい? 未知の野菜だけでなく、おなじみの野菜もシェフの調理法、時間をかけた下準備で新たな味わいや食感で登場するので発見ばかり。だからこそ、この"野菜の豊かさを祝福"するというヴィヴィッドのコース料理を体験を試してみなければ!

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根菜のタルタル・セヴィーチェ風だったり、ムースを乗せたパンのネタを皮にしたきのこのタルトだったり......今宵、シェフは何をクリエイトするのだろうか。

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シェフのクリエイションから。パン・オ・レザンのようなオニオンのファイユテ(左)。まるでシャルキュトリーのように薄くスライスしたバターナッツは味噌ソースで。photography: 左 ©Vivide、右 Mariko Omura

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ワインはフランス産のみ。ビオディナミックワインやヴァンナチュールにポイントを置いたセレクションがリストに並んでいる。ワインのペアリングのグラスワイン5種は35ユーロあるいは45ユーロから選べ、またノンアルコールのペアリング(25ユーロ)も可能だ。

ミッシェルとジェレミーは料理に拘るだけでなく、インテリアにも二人の思いを反映させた。ブルターニュの農家の床に敷き詰められていたタイルをレストランに用い、椅子は修復したマルセル・ブロイヤー、壁のテクスチャーにはコーヒーかすを使い、テーブルの素材はコンクリート......そして食器はオーヴェルニュ地方でヴィヴィッドだけのためにGrangeが製作した陶器。自分たちのビジョンに沿った世界を築き上げているのだ。シンプルだけれど気持ちのこもった温かみのあるインテリアだ。なおレストラン入って、すぐ左手はオープンキッチンでそのカウンターでも食事が可能。シェフと料理人たちの仕事を眺めながらの食事は、テーブル席での食事では得られないプラスαの感動がある。

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レストラン内、奥のスペース。

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椅子、テーブル、食器......ミッシェルとジェレミーの世界へ。

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オープンキッチン。この前にカウンター席あり。

Vivide
3, rue Dancourt
75018 Paris
営)19:00~23:00
休)日、月、火
https://vivide-paris.com/
@vivide_paris

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editing: Mariko Omura

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