カルナヴァレ美術館のレストラン、パリの歴史が詰まっているジョリへ。
Paris 2025.12.04
16世紀の建物内、先史時代からのパリの歴史にまつわる品々を所蔵し、展示しているマレ地区のカルナヴァレ美術館。以前は夏に期間限定でテラス席のレストランが庭で営業されていたが、美術館内に新たに生まれたレストランJoli(ジョリ)は年間を通じての営業だ。便利なのは、美術館とは別の入り口がフラン・ブルジョワ通りにあり独立していることで、美術館に行かない人も気軽に利用できるのだ。もちろん食後に美術館を訪問するのはいいだろう。常設展なら入場無料である。

ジョリへのアクセスはカルナヴァレ美術館の入り口とは別でフラン・ブルジョワ通り16番地から。美術館では来年2月8日まで『パリの人々 1926~1936』展を開催中だ。photography: Mariko Omura
ジョリは美術館にありがちな軽食オンリーのカフェとは一線を画し、料理も本格的ならインテリアもとてもシックだ。内装を任されたのはAMVスタジオ。鏡張りの天井と淡い色のフレスコが作り上げる空間に、レストランに入るや包み込まれる感覚が快適だ。

フレスコ画が美しい空間。夜はキャンドルの灯りで食事を。

磨きのかかったステンレスの壁、バーカウンターがモダンな雰囲気を古い建物内に醸し出している。
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シェフにはガストロノミー・レストランのル・ムーリスやルカ・カルトンでの経験を持ち、またPlume、Duneのオーナーシェフでもあったユセフ・ガストリが新たに迎えられた。料理はおしゃれなビストロと食いしん坊のブラッスリーとの融合というイメージで、現代的解釈によるフレンチ・クラシックがメニューに並ぶ。シェフの素材の厳選ぶりが味に表れる季節の味を楽しもう。デザート担当はセバスチャン・ゴダールのもとでパティスリー修行をスタートしたというパロマ・ラゲットだ。前菜のサラダに梅干しが使われていたり、デザートのチョコレートムースに赤味噌......と、ジョリでも日本食材がクラシックな味にひねりを与え、また飲み物リストにはカクテルあり、モクテルあり......古い建物内にいながら、いまのパリらしさを満喫できるレストランである。ランチタイム・メニューは前菜+メインかメイン+デザートで29ユーロ、前菜+メイン+デザートで39ユーロ。

前菜より。トピナンブール(菊芋)のノヴルーテ(左)、アンディーブとヤギのチーズのサラダ。

メインより。シェフは魚料理には持続可能な漁業敢行の方針に基づいて川魚を選んでいる。

左:クラシックなタルトタタンはチャイ風味スパイスを効かせて。 右:ミクソロジーのテオ・メバルキがクリエートするモクテルは、美術館の庭へのオマージュ。photography: Mariko Omura(右)
16, rue des Francs-Bourgeois
75003 Paris
営)ランチ 12:00~14:30(火~金)、12:00~16:00(土、日)、ディナー 19:00~22:30(火~土)
休)月(全日)、日(ディナー)
https://www.joli-restaurant.fr/
@joli.restaurant
★Google Map
editing: Mariko Omura






