
パリ16区☆イヴ・サンローラン美術館
自宅から一番近くにある美術館、Musée Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン美術館)。
ここは以前から美術館でしたが、ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団によって改装され、昨年10月に新たにオープン☆
美術館前を通るとちょっと行列になっていることが多かったので、ネットで予約して出かけました。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-337.html )
パリ16区にあるこの建物は1974年から2002年までメゾンの本社が置かれた場所でもあり、ナポレオン3世様式の素敵な邸宅です。
まずは広めの、かつてオートクチュールのショーも行われていたサロンスペースで、サンローランのバイオグラフィーや作品の制作からショーまでの過程などをわかりやすく編集したビデオを観てから展示室へ。
Yves Saint Laurent(イヴ・サン=ローラン)についてはこのブログでも何度か書いていますが、言わずと知れたフランスを代表するデザイナー「モードの帝王」。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/yves-saint-laurent.html )
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/saint-laurent.html )
ここで展示されている作品はサンローラン自らが保存すべき作品として選んだという財団のコレクション。
財団が所有する作品は5,000点以上のオートクチュール・コレクション、15,000点以上のアクセサリー、3万5,000点のデッサン、布製品などが膨大だそう。
洋裁は全くできませんが、、そんな私でもドレスの素材選びの資料やデッサン、アイデアと想像力が詰まったコレクションボードは見ているだけでも面白い。
その一枚のデッサンから最終的にはどんな1着が完成するのか?と楽しくなります。
普段着ることも手にすることもないオートクチュールのドレスですが、それを間近で見ると、1着にほどこされた精緻な技術、滑らかで美しい生地、制作に費やされた時間を思うと憧憬のため息がフーッ♡
そもそも個人邸宅だったという建物なので一室一室がコンパクトで、部屋ごとにテーマを変えて時代別に配置されているため、わかりやすく見やすく、サンローランの歴史は勿論、まるで彼の興味の対象をシェアするように一緒に辿りながらの鑑賞は一部屋巡るごとにテンションがアップしました♬
スペインからインスピレーションを受けたと思ったらお次は中国、モロッコなどガラリと作風の違ったものが次々に展開することにサンローランの溢れ出す才能、たぎる情熱、豊かな創造力を強く感じさせられます。
中でも個人的には「中世」からインスパイアされたというクラシックなイヴニングドレスに釘付け。
ずっと見ていたい美術品のようでした。
思わず、これこれ!と作品に駆け寄ってしまったバックレースのリトルブラックドレス。
フロントデザインはシンプル&控えめな印象なのに、バックスタイルのレースはとても緻密で繊細、セクシーに背中が見える1着。
何年か前にこのドレスのオマージュ、復刻版が発売されました。
ずっと憧れていた一着なので絶対欲しい!と購買意欲満々で試着したのですが、腰から下のレースがかなり深く、私の体型ではどう着てもお尻が半分以上見えてしまう。(いやもはや丸見えだった)
見せブラならぬ見せパンの勇気は無く断念。。
この美術館で特に好きだったスペースは、サンローランのアトリエデスクが置かれた部屋。
そこは在りし日のままの様子で、作業中に着ていた白い仕事着が掛けられていたり、それは今さっきサンローランが脱いで置いていった感じ。
まるで今もここでデザイン制作が行われているように、リアルにサンローランの存在を感じられる。
周りに置かれた書籍や写真、雑貨小物は全てサンローランが大切していたものだったり、好きだったもの。
彼の美意識や趣味趣向も伝わってきます。
改めて数々の素晴らしいアイデア、作品が生まれた場所と思うと感慨深くなりました。
キャリアの中で舞台衣装なども積極的に手がけていたとは知りませんでした。
また、ピカソやマティスなどのアーティストへのオマージュを捧げたコレクションの数々も。
「気分よく感じられる服を身にまとっていれば、何事もうまくいく。良い服とは、幸せへのパスポート。」
という言葉を残したサンローラン。
お洒落って面倒くさいとか自己満でしかないし…と思うこともあるけれど、お洒落云々ではなく、日頃気持ちよくいられる服を着たいと思う。
さて、しばらく並んで入ったのは人数制限ありの小さなビデオ上映ルーム。
こちらの一室ではサンローランのパートナー、Pierre Bergé(ピエール・ベルジェ)が自ら語るサンローラン、ふたりが大好きだったモロッコ・マラケシュの邸宅の様子を上映。
サンローランの才能が花開いた背景にはピエール・ベルジェの愛と支え、導きがあってこそ。
この美術館の開館にあたってもベルジェ氏は奔走したそうですが、残念ながらオープンの約1ヶ月前の昨年9月にお亡くなりになってしまいました。
とても華やかで美しく、きらびやかなモード界。
この美術館の作品の数々を見ながらもその断片が感じられたのですが、その裏で輝かしい世界と業績にはベルジェ氏の存在があってこそと思うと、伝説的と言われる二人のパートナーシップ、二人の人生に思いを馳せながら、最後はしみじみした気持ちになった、見応えたっぷりのイヴ・サンローラン美術館でした。
パリの美術館の他に、昨年のほぼ同時期にモロッコ(マラケシュ)に『Yves Saint Laurent Museum(イヴ・サン・ローラン美術館)』がオープンしています。
そちらは4,000平方メートルのスペースで、サンローラン作品の他にカフェ、150席の講堂、6,000冊を超える書籍を収容する図書館、展示スペースが併設されているそうです。
いつかそちらも訪れてみたいです。
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Musée Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン美術館)
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