ギリシャ悲劇☆メディア/イアソン
世田谷パブリックシアターで上演された『メディア/イアソン』を観劇してきました。
古典、ギリシャ悲劇が好きなので「メディア」をテーマした作品は、これまでも度々鑑賞、観劇しています。
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本作は、そのギリシャ悲劇(古代ギリシアの劇作家エウリピデス作)の伝承を下敷きにフジノサツコさんが書き下ろした舞台で、演出家・森新太郎さん、キャストは5人。
古典なのでお話をご存知の方も多く、あらすじストーリーとしては度々このブログにも書いてますので、今日はざっくりと。
メディアはコルキスの王女。
英雄イアソンによって連れ去られた後、彼との子供たちと共にコリントスに住んでいました。
が、イアソンが彼女を捨てて別の女性と結婚しちゃったもんだからメディアは怒り心頭。
(そりゃね、これまで色々助けて、故郷や家族も捨てて彼についてきたのに捨てられたら怒るよねぇ)
夫イアソンの裏切りに対し、イアソンの新しい妻&その父(コリントス王)を殺し、更に我が子を殺めて復讐するという恐ろしい悲劇。
(その後、メディア自身は逃げ去ってしまうことにも驚きますけどね。もし私がメディアなら切腹もの...)
復讐と愛の葛藤を描いた怖〜いけど、複雑な女性の気持ちや情念はなんとなくわかる部分もあり、個人的にはとても興味深いテーマの作品です。
さて、メディアと言えば、ルーヴル美術館やリール美術館にあるドラクロワ(Ferdinand Victor Eugène Delacroix)の「Médée furieuse」(激怒のメディア)。
メディアのお話は、自分にとって条件のいい女性に出会い権力と財産に惹かれて心変わりした夫イアソンがとにかく悪い!と思っていたのですが、今回の舞台を観劇して少し印象が変わった部分や新しい感想も湧きました。
イアソンも簡単に心変わりしたというより、自分が想定していたキャリアプランがちょっと違ってきて、その中で妻への関心、気持ちに変化が生じたような?!
仕事、社会的な成功と家庭円満なバランスを上手く取るのはそう簡単ではないな、と。
どちらか一方に振り回されても不満は生じるし、割り切ってお互い無関心なのも寂しいし、そのバランスの取り方は夫婦それぞれ。
今回の観劇をきっかけに今後は、メディアをテーマにした作品と対峙した時には違った感情が湧くかも?!です。
身近なところでは、例えば、オルセー美術館にあるギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)の「Jason」(イアソン)。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-537.html)
モローらしくなんともポエティックな作品☆
チュイルリー公園の彫刻なども。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/jardin-des-tuileries.html)
原作にもメディアのその後は記されていないようですが、想像するに、恐ろし過ぎる復讐心とその行為の結果、イアソン以上に自分自身を苦しめ、己の罪深さと狂気に苦しみ続ける人生なのかなぁ...。
いや、案外ケロッと他の男と再婚してるかも!?だったらもっと怖いな〜と想像が膨らむギリシャ悲劇メディアです。
*****K子のつぶやき@ジャポン*****
いつの間にかもうそんな季節♬
大好きな湘南ゴールドの季節到来\(^o^)/
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