
The Met☆後編
“The Metropolitan Museum of Art” (メトロポリタン美術館)へ再び。
メットは各時代の絵画も充実☆
パリはじめヨーロッパでお馴染みの画家たちの作品が次々に登場。
15世紀フランドルのハンス・メムリンク(Hans Memling)。
同じくフランドル画家のHieronymus Bosch(ヒエロニムス・ボス)。
2年前の「ベルギー 奇想の系譜展」@bunkamuraは興味深く、フランドル画家はわりと好きになってしまった。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/private-viewing.html)
久しぶりにリッピ!!
イタリア・ルネサンスの画家で、Sandro Botticelli(サンドロ・ボッティチェリ)の師匠でもあったFilippo Lippi(フィリッポ・リッピ)。
フィリッポ&フィリッピーノ親子とボッティチェリは大好きなのでテンション上がる♬
彼の特別展が観たいがためにローマに行ったことも。
(その時のブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/51819659.html)
やっぱり好きだ♡と惚れ惚れ鑑賞。
それにしてもボッティチェリの描く顔はみんな同じに見える気が…。
そしてフィレンツェからヴェネツィア絵画へ。
いつも通りヴェネツィア旅行を妄想した後は、今回メット訪問でかなり楽しみにしていたあの画家の作品のもとへ!
それはこのブログではすっかりお馴染みのJohannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)作品。
直近ではこの夏、ウィーンの「美術史博物館」(Kunsthistorisches Museum)で「絵画芸術」を観てきたばかり。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-1048.html)
ここメットが所有するフェルメールは作品は、「リュートを調弦する女」「水差しを持つ女」「少女」「眠る女」「信仰の寓意」の5枚。
現存する作品はわずか35点ほどと言われる中で5点も所有していることはすごいことです。
フェルメールについては講演会も含めて何度か記しているので割愛ですが、つくづくさりげなく日常を切り取った構図は今っぽさも感じられて面白い。
お洒落なインスタみたい?!
地球儀に足をかけた女性が「信仰」を、聖杯・聖書・十字架からその信仰がカトリックのものであること、かじって床に転がる林檎は原罪を現し、潰された蛇は悪に対する正義の勝利を意味すると言われる「信仰の寓意」。
フェルメールの後はオランダ繋がりなこの人、巨匠Rembrandt van Rijn(レンブラント・ファン・レイン)。
メットのお宝作品の一つと言われ、17世紀オランダ美術の最高傑作とも称されるレンブラントの「ホメロスの胸像を見つめるアリストテレス」。
もうそのタイトルからして深いな…。
「哲学者の絵を」と依頼されて描いた作品だそうで、古代ギリシャの伝説の詩人ホメロスの頭に手をかける哲学者アリストテレス。
歳を重ねたであろうなアリストテレスの目はやや虚ろで何をどう思っているのか観てる側を十分考えさせる。
間違っても今の私のように「お腹空いたな…」ではない。
そして今回想定外の嬉しい対面がありました。
ちょっと前に耳にしたニュース、あの作品展示をこの美術館で開催していたとは!
今年はフランスでもすっかり盛り上がっているレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci))没後500年のアニバーサリーイヤーですが、ここニューヨーク、メットで今年10月6日まで開催していたのが、キリスト教の聖職者、聖ジェローム(ヒエロニムス)を描いた未完の作品「Saint Jerome Praying in the Wilderness」の特別展示。
西方カトリック教会の4博士の一人、聖ジェロームがシリアの砂漠で足に棘がささって動けなくなっているライオンを治癒したという伝説からきているそうで、砂漠で隠修士として余生を過ごす聖ジェロームの晩年の物語シーンとされています。
砂漠地帯を何日も放浪して痩せ細り、歯も抜けた聖ジェロームが洞窟の前で神への祈りを捧げている場面。
未完成の理由は推測されているようですが、そもそもダ・ヴィンチ作品は未完が多い。
美術の教科書級の有名画家の作品を見ながら今回私に新鮮だったのは、19世紀後半から20世紀前半に活躍したというアメリカ人画家John Singer Sargen(ジョン・シンガー・サージェント)の「マダムX(ゴートロー夫人)」。
描かれた当時かなりのセンセーショナルな話題を巻き起こしたと言われる1枚。
今見たら透き通るような白肌に素敵なブラックドレスな一枚ですが、絵画のモデルはバージニー・アメリ・アヴェーニョ・ゴートロー夫人。
彼女はアメリカ生まれですが、フランスで育ち、フランス人の銀行家、ピエール・ゴートローと結婚し、その美貌と浮き名で当時のパリ社交界の華に。
画家サージェントが彼女にモデルを依頼してこの絵をサロンに出品したところ、当時の貴婦人の常識としてのネックレスやピアスなどのジュエリーを身につけず、胸元の大胆な露出は「官能的過ぎる」「下品」とスキャンダルになり、匿名「マダムX」のタイトルだったもののゴートロー夫人の名前はバレバレ、下品な女性の烙印を押されてしまったそう。
その結果、彼女はパリを去り、その後イギリスで過ごしたと。
今も昔もたった1枚の写真、画像で人生が変わり得る、と思うと怖いものです。
何度観ても飽きないメットの絵画セクションも大満喫しました。
********
おまけのパリ。
朝日でストライプ。
ARCHIVE
MONTHLY