4月に『ロミオとジュリエット』で主役を踊るロレンツォ・レッリ、第43回カルポー・ダンス賞を受賞。

オペラ・ガルニエのロトンド・デュ・グラシエにてカルポー・ダンス賞の授賞式が1月27日に開催された。第43回に選ばれたのはスジェのロレンツォ・レッリ。これは24歳以下の将来有望なコール・ド・バレエのダンサーに贈られる賞である。セレモニーではセルクル・カルポーのプレジデントであるカトリーヌ・ドゥ・ピモドンからロレンツォに、オペラ座の正面でおなじみのカルポーの彫刻『ダンス』を刻んだメダルと賞金が手渡された。

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第43回カルポー・ダンス賞の授賞式にて。エトワールのロクサーヌ・ストヤノフ、オペラ座のコーチとなったリュドミラ・パリエロ、懐かしきアニエス・ルテスチュなども来場し、ロレンツォを祝福。photography: Mariko Omura


彼は2024年のパリ・オペラ座来日公演『白鳥の湖』でマズルカとワルツを踊り、また昨年夏に東京文化会館で開催された「バレエ・スプリーム」でオペラ座グループによるCプロ公演に参加。シャイで控えめな彼はSNSなどで積極的な自己アピールをしていないので、彼についてここに簡単に紹介しておこう。

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カドリーユからコリフェへの2023年のコンクールにて。無駄のない動きにテクニックの確かさとエレガンスを込め、入団直後とは思えぬオーラを放った。©Svetlana Loboff

イタリア南部のアブルツォ州に2003年7月4日に生まれた彼は、地元でバレエを習い始め、11歳の時にミラノ・スカラ座のバレエ学校に入学。卒業した年にパリ・オペラ座の入団試験を受けた結果、シーズン2022/23を契約団員として過ごした。そして正式入団した2023年の秋に行われたコンクールで見事なパフォーマンスを披露し、2024年コリフェに昇格。その年の5月には『ジゼル』で収穫のパ・ド・ドゥを、『パキータ』ではパ・ド・トロワを、とドゥミ・ソリストとして踊る幸運に恵まれている。2024年度はコリフェからスジェへの昇級がコンクールではなく任命方式だった。その結果、彼は2025年1月1日にスジェへと昇級。カルポー・ダンス賞での授賞式のスピーチでジョゼ・マルティネス芸術監督が"彼には可能性がある"と任命の理由を語ったように、スジェとなってからの彼の活躍は目覚ましい。2025年春、『眠れる森の美女』でプリンス役に抜擢された彼はカン・ホヤンをパートナーに踊っただけでなく、ポール・マルクの降板によりパク・セウンとの5回の公演が彼に任されたのだ。さらにそのあとマニュエル・ルグリの『シルヴィア』ではエロス役に。これはヌーディな衣装で踊る難しい役であるが、堂々としたステージを見せた。今シーズンに入ってからは、バランシンの『Thème et variations』ではロクサーヌ・ストヤノフを相手に優美に踊り、クリストファー・ウィールドンの『コリバンティック・ゲームス』そしてダヴィッド・ドーソンの『アニム・アニムス』では身体の美しいラインと精悍な踊りでステージで観客を魅了。日々成長を続けている。

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『Thème et variations』 ©Maria Helena Buckley/ OnP

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『Thème et variations』 。ロクサーヌ・ストヤノフと。©Maria Helena Buckley/ OnP

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『コリバンティック・ゲームス』。エンゾ・ソガール(右)と。 ©Maria Helena Buckley/ OnP

男性エトワールが不足している現在、芸術監督の期待を裏切らず大任を果たし、187cmと長身の彼への注目は集まるばかり。あいにくと2025年秋のコンクールではスジェからプルミエ・ダンスールへは空席がないため行われなかった。4月5日と10日にエトワールのロクサーヌ・ストヤノフをパートナーに念願のロミオ役を踊る彼。ギヨーム・ディオップに次いで飛び級での任命を期待する声も少なくない。エトワールというオペラ座のピラミッドの頂点に立つにはダンスだけでなく、精神的な強さと成熟が求められる。彼にその準備ができているかどうか。「仕事熱心で、控えめだけれどステージ上では豹変する」「才能があり、前途有望なダンサー」と褒め称えて授賞式のスピーチを締めくくった芸術監督の心のうちを知りたいところである。

editing: Mariko Omura

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