シックス センシズ マックスウェル
シンガポール
異国情緒漂う、シンガポール最後のコロニアルホテル。

東南アジア随一のハブであるシンガポールは、本島の他に、極小の島を60以上も含むという島国です。その中に華人、マレー系、インド系、ユーラシア系、そしてプラナカンなど、さまざまな民族が住むことからモザイク文化国家とも呼ばれ、シンガポールの特徴ともなっています。何度も訪れている国ですが、いままで知らなかったのは、シンガポールとはサンスクリット語で「シンハ(椰子)」が語源となっていたことでした。

さてそのシンガポールに、また話題のホテルがオープンしています。2018年12月に開業したばかりの話題のホテル、「シックス センシズ マックスウェル」です。チャイナタウンの中心部に建ち、異国情緒に溢れた美しいホテルでした。

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美しく塗り直された19世紀のコロニアル建築、ホテルの前景とメインエントランス。

それもそのはず、19世紀の英国コロニアル建造物で保存建築物として指定されているビルをホテルに改装したものなのですが、シックス センシズらしい高級感と、このグループが長い間掲げる理念「サステナビリティ」が順守されて造られた都市型高級ホテルです。

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英国調の重厚感のあるロビー空間は、どことなく新しさも感じられるジャック・ガルシアの世界。

シックス センシズと聞くだけで、誰もがオーシャンリゾートを思い描くでしょうが、こうして都会の真ん中にも誕生しました。これは、シンガポールの保全プロジェクトの一環として、2軒の歴史ある建造物の保護を目的に、環境活動に通じるシックス センシズがこれら2軒の建物を改装してホテルに……というのがきっかけとなったといいます。1軒はマックスウェルから徒歩3分の場所にある「シックス センシズ ダクストン」で、すでに、2018年4月にオープンしていました。次いでオープンとなったのが、ここマックスウェルなのです。

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右下に見えるボールで魔法の音を奏でゲストの到着を歓迎。奥はライブラリー、ダイニングエリアへと続く。

このホテルは気鋭の人気フランス人デザイナー、ジャック・ガルシアが、正統派の英国調デザインを踏襲しながら、美しく残るコロニアル様式と、現代のモダンなシンガポール文化をうまく融合させてデザインしました。いつも驚くほど奇抜なデザインが主流の個性派ガルシアとして、正統派の設えの中にも、しゃれた色遣いや家具、バーの造り、動線などにガルシアマインドが見え隠れするのが素敵です。

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終日営業のソーシャル・ライブラリー「Cook & Tras Social Library」では、朝食や軽食も提供。

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写真はマレーシア料理の「ポークサテ」。ほかに中華、シンガポール、インターナショナル料理も。カクテルなどを提供するバーとしても終日営業。

客室は全138室、7カテゴリーが揃っています。実はこの「シックスセンシズ マックスウェル」改装を最後に、シンガポールでは伝統的保存建築物のホテルへの改装が禁止となり、ここが最後で最新の、貴重なコロニアル建築ホテルとなりました。

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室内のベッドはナチュラルオーガニックマットレスを使用。タオルやアメニティもすべて自然派オーガニック製品。またラグは手作りのヴィンテージ品を揃え、ディテールにまで自然派にこだわる。

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エレガントなバスルームはすべてにレインシャワー付き。オーガニックコットンのバスローブはThe Madison Collectionの高級品。

シンガポールでは、さまざまな分野に厳しい規制をかけ、クリーンで快適な犯罪の少ない国を守ってきましたが、こうして文化財に対しても規制がかかったというわけです。シンガポールは海外投資も多く、開発の進むアジア随一の超近代国家ですから、こうして政府が先んじて保護しないと、スクラップ&ビルドも相次ぐ可能性があり、国としてのアイデンティティを守るためには、必要なことなのでしょう。(K.S)

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テラス「five-foot way」は、3カ所のレストランのどこからでもメニューも運んでくれる、うれしいダイニングテラス席。

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屋上にあるラップ・プールはスポーツジムが併設されたリラグゼーションエリアとして利用。

Six Senses Maxwell Singapore
2 Cook Street, Singapore, 078857 Singapore
tel:+65 6914 1400
客室数:138室(スイート含む)
室料:要問い合わせ
施設:テラス・ブラッスリー、ソーシャル・レストラン&バー、ラウンジ&バー、バー、ジム、ほか
reservations-maxwell@sixsenses.com
www.sixsenses.com/hotels/maxwell/destination


●問い合わせ先: 0120-921-324(フリーダイヤル)

※無断転載禁止

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Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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