シンガポールをもっと好きになる! 街歩きの途中で、シンガポールの壁画アートと出合う。
Travel 2019.02.20
グラフィティアーティストが競い合うロンドンの下町ショーディッチをはじめとして、昨今、世界中のどの都市でも壁に描かれたビジュアルアートが目に付く。街歩きの途中で出合うシンガポールの壁画は、そのエリアの歴史や個性を題材にしているところがすごくおもしろい。中国、マレー、インドなど、さまざまな国から人々が集ってきた多民族国家であるシンガポールは、エリアごとにその場所に住まう民族の個性や、それらの個性がフュージョンした唯一無二の景色がある。彼らがどんなふうにこの国に根付き、暮らしてきたのかが、言葉ではなくビジュアルで物語るように綴られているのだ。現代アートなどの美術館にも力を入れているシンガポールだが、散策の途中で突然目の前に現れるストリート壁画アートにじっくり見入るのも、この国ならではの旅の発見があるはずだ。
チャイナタウン Chinatown
Amoy Streetの天福宮の裏の壁に描かれたシンガポール人壁画家YCによる、福建省の人々が移住してきた経緯、結婚式などの風習を描いたもの。
Mohamed Ali Laneにある建物の壁。2階には2階の家の様子が描かれているのがおもしろい。1階道沿いの商店に買い物カゴを下ろしたりしていた長閑な昔の生活風景。獅子舞のお面作りの職人の家と、ムスリムの家族が隣り合わせで暮らしている模様も。
Maxwell Road沿いの公団住宅の1階にあるAmoy Street Food Centreの壁に描かれた壁画。たくさんのホーカー(屋台)が集まった、ご飯どきは大混雑する場所に描かれている。
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リトルインディア Little India
Race Course Roadから少しはいった路地に描かれた馬の絵は、ここに以前、競馬場があったことからの流れ。
馬の絵と同じ道沿いにある。ジョージア・オキーフの絵を模したような大胆な花の絵。
Kerbau Road沿いの、ロマンティックな色彩の牛の絵。このあたりは以前牛の囲い場があった。Kerbauとはインドネシア語で水牛を意味する。
インドからのさまざまな移住者の職業について描かれている。Belilios Lane沿い。
Belilios Laneの青い壁画のすぐ近くのレストランの壁。
Hindoo Roadから少し入った路地沿いには映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』で日本でも大ブレイクしたラジニカントの絵が!!
Upper Dickson Roadの角にあるダンスする女性の絵。極彩色の壁画の前をインド系の女性が歩いている風景はなんとも絵になる。
Baboo Laneでは屋根の形に合わせて、交通渋滞の模様が。
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ティオンバル Tiong Bahru
中国系と西洋が入り混じるエリアのティオンバル。ここにも地元の壁画家YCの中国人華僑の長閑な暮らしぶりを描いた壁画がたくさんある。これは鳥カゴを持ち寄り、鳥の美声の競い合いをしていた昔の風景。
Eu Chin Street近辺。このあたりには、ティオンバル文化センターがあり、一般の人々の生活が静かに残っている。建物は、かつて英国が所有していたもので、レトロで味わいがあるので、経年変化が激しいものの、シンガポールでは人気物件だそう。家の中をそのままのぞき見したような扇風機ががあるシーンや、街角の風景。
※1シンガポール(S)ドル=約81円(2019年2月現在)
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photos:MIDORI YAMASHITA, collaboration : SINGAPORE TOURISM BOARD