【葉山&秋谷】海街さんぽで立ち寄りたい、注目カフェ2選!
鎌倉ウイークエンダー 2025.05.08
長谷川真弓
御用邸で知られる葉山は、山と海に囲まれた、のんびりとした空気の流れる町。洗練されたレストランなどの店も多く、春から夏は沢山の人が訪れるが、それでものどかな雰囲気は変わらずにある。そんな葉山とその隣の秋谷にできた、居心地の良いカフェをご紹介。いつもの休日が、ちょっと特別な時間になりそう。
葉山らしい、開放的なつくりの店内。散策の合間にちょっと休憩するのにもぴったり。
カフェ、Yellow Houseの近くにある久留和海岸。人が少なく、静かな時間の流れるビーチ。
気軽に立ち寄って、コーヒーやワインを一杯
#01. HAYAMA SHINNASE CELLAR
海とともにある森をイメージして、グリーンの壁に。
葉山の海沿いの道を進んでいくと、海の上に鳥居が浮かぶ、美しい海岸が見えてくる。
通りにはちょこんと建つ小さな「真名瀬バス停」があり、フォトジェニックなスポットとしても有名だ。
海を背にした真っ白な真名瀬バス停。バスを待ちながらベンチに座ってゆっくり海を眺められると人気。
そのバス停の斜め前、道のカーブに沿うように建つグリーンの建物が、昨年12月にオープンしたHAYAMA SHINNASE CELLARだ。
ここは長年地元の人に親しまれてきた「やじま酒店」のあった場所。町内の集まりや釣りの帰りに立ち寄る人など、葉山に昔から住む人々の思い出が沢山詰まっている場所だそう。
120年続き、2年前に幕を閉じたその酒屋の歴史と温かさを未来につなぎたいという想いを持つメンバーが集まり、クラウドファンディングを立ち上げ、新たなお店として生まれ変わった。
店内もグリーンをメインにしてカジュアルな雰囲気に。天井の梁は以前のまま残してある。
コンセプトは「今日の散歩が楽しくなる、小皿とワインとコーヒーの店」。やじま酒店の思い出を継いでさまざまなお酒を用意し、それに合う地元の食材を使った海沿いならではの小皿料理が並ぶ。
ワインは値段を気にせずに楽しめるように、カジュアルな価格帯のものが豊富。気に入ったら購入できるように、ボトル販売も。オリジナルの豆を使ったこだわりのコーヒーも人気だ。
朝は8時からオープン。モーニングに来る人はもちろん、朝からシャンパンを1杯だけ飲みに寄る人も。
「地域のコミュニケーションの場となりたい」と語る、オーナーの小野圭史さん。夕方、愛犬の散歩の途中に立ち寄る人々が談笑するなど、早くもその願いはいつもの光景となっているよう。
とはいえ、「ローカルの人以外は居心地が悪いようなクローズな場所にしたくない」という。はじめての人でもフラッと入ってこれるようにと、大きなガラス張りの開放的なつくりにしたそう。
暴れタルタルフィッシュサンド¥1600、ワイン(グラス)¥850〜。グラスは赤、白が2種類ずつ、ロゼが1種類用意されている。
料理は、葉山で長年親しまれてきたカフェ「mani mani」の土屋由美さんが監修している。
「魚や海藻など葉山でとれた食材を使った料理も多いです。旬のものは次々と移り変わるのでメニューには書いていないですけどね」と笑顔で語る土屋さん。
人気のカレーは、小さいお子さんから高齢の方まで安心して楽しめるようグルテンフリーに。バターを使っていないのに濃厚な味わいが支持されている。
看板メニューは「暴れタルタルフィッシュサンド」。注文が入ってから一つずつ丁寧に揚げるサクサクのフライに、溢れるほどのタルタルソースがかかった、大満足の一品。
手作りのスイーツも絶品なので、カフェタイムにもぜひ。
HAYAMA SHINNASE CELLAR
神奈川県三浦郡葉山町堀内1051
050-7110-5852
営)8:00〜20:00
休)水、不定休あり
@hayamashinnasecellar
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心地よい時間が過ごせる、秋谷のオアシス
#02. Yellow House Kuruwa
テラス席もあるので、愛犬家からも人気。
絶景で有名な葉山・長者ヶ崎のすぐ隣。南葉山と呼ばれることもある横須賀市秋谷は、相模湾を一望しながらドライブができる美しい海岸線と、昔ながらの小さな港町ののどかな雰囲気が残るエリア。そんな秋谷にできた1軒のカフェが今人気を集めている。
オーナーの梅田綾子さんは元々葉山に住んでおり、その後アメリカで5年暮らした後、帰国後の住まいに選んだのが葉山のお隣、秋谷だった。
明るい笑顔で出迎えてくれる、スタッフの皆さん。右手前からオーナーの梅田綾子さん、スタッフのRyanさん、HIKARUさん、HANAさん。
「秋谷は漁港がある、本当にのんびりしたところ。そんな秋谷に人が集まる場所を作りたい」と、昨年秋にカフェをオープンさせた。
すると、近所の方やクチコミでたちまち人気に。すぐ近くには「Soil work Akiya Village」という日本橋や尾道、京都などにある注目のコワーキングスペースもあり、秋谷に対する注目度が上がっているのを感じるそう。
「でも、あくまでも目指しているのは地元の喫茶店。だからご近所のおじいちゃんがモーニングをしに来てくれるのがうれしいんです」という梅田さん。
出身は愛知県で、モーニング文化のある地だったこともあり、モーニングは必ずやりたかったことのひとつ。
朝8時から11時まで提供される、トーストとドリンクのセット(¥700)が好評で、トーストにはバターと小倉あんが添えられている。
たまごサンドイッチも人気のメニュー。安田養鶏場の卵を使い、しっとりと仕上げた卵焼きが絶品! イエローハウスのたまごサンドイッチ-安田養鶏場¥1100、アイスラテ¥600
フードもスイーツも手作りにこだわっている。料理監修は、料理研究家の土屋由美さん。
ジンジャーソーダやジンジャーチャイは、生姜を煮出して自家製シロップをつくるのだが、その際に余った生姜をキャロットケーキのスパイスとして使う。そんなフードロスを減らす取り組みも。
ジンジャーチャイ¥800、ジンジャーキャロットケーキ¥700
2階は靴を脱いで上がれる座敷となっているので、小さなお子様連れにも好評。トイレにはおむつ替えベッドも用意されている。
3階は「Yellow House Kuruwa STAY」という宿泊施設になっており、ワーケーションで訪れる人も多いそう。
1階のカフェスペースは日の光が差し込む、気持ちの良い空間。

カフェの横の坂道を下り、徒歩1〜2分で着く久留和海岸は、静かで波も穏やかな知る人ぞ知る穴場ビーチ。カフェで過ごしたあと、足をのばしてみては。
Yellow House Kuruwa
神奈川県横須賀市秋谷4292-1
営)8:00〜17:00
休)火、水
@yellow.house.kuruwa
text & photography: Mayumi Hasegawa