アイナ・ジ・エンド、コケティッシュな魅力が齊藤工に贈るメッセージ。
「齊藤工 活動寫眞館」について 2025.07.18
独特の声で、熱を込めて歌う。ソウルミュージックではなくてもソウルフル。フォークではなくてもハートフル。アイナ・ジ・エンドの声には、彼女だけが持つ天使が宿っているかのようだ。そして声だけに留まらない凄みを見せたのが2023年に公開された岩井俊二監督作『キリエのうた』。俳優としてのポテンシャルが注目された。
「アイナさんに対して言葉を絞り出そうとしましたが、アイナさんは簡単な言葉では言語化できない魅力にあふれた方だと思います。強いて言えば絶望と希望、現実と幻想、月と太陽、対極のモノを合わせて美しく深く届けてくれる。音楽・映画・ファッション・執筆...どんな表現の場でも唯一無二であり必然であると感じます。『大人になって』という楽曲が特に好きです。他の楽曲もですが、一曲一曲が、まるで一本の映画を観た感覚になりました」

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今回、齊藤工がアイナ・ジ・エンドを撮ることになったきっかけは、映画『MAD MASK』での共演。永野が監督した本作は、永野の脳内に在るバッドイマジネーションが壮絶なスプラッター映像で表現される。血しぶきで染まる画面にアイナ・ジ・エンドと斎藤工は白い衣装を纏い聖人のいでたちで、出演もしている永野の前に降臨する。
「『MAD MASK』という、芸人・永野さんの業のマグマ溜まりのような場所で、"ゲスト"ではなく支配者としてどこか清廉に佇むアイナさんは神々しかったです。永野さんの比較的近くに生きる私の感覚では、この映画企画自体が、アイナさんの参加により爆速で肯定的なエネルギーを得た様子でした。それはいただいた写真のセッションの時間も同じくで、本当にすべてのショットに何かを降臨させて下さっていました。写真を見ていただければ伝わると思います」
齊藤から送られてきた写真のアイナ・ジ・エンドはコケティッシュで目線が強く、かつスタイリッシュでおしゃれ。絵を制する力強いチャームにあふれている。『キリエのうた』の公開タイミング、2023年11月号のフィガロジャポンでインタビューした際には、真っ赤なヴァレンティノを着て松村北斗と登場してもらった。その時の撮影セッションでもアイナ・ジ・エンドは突然何かが憑依したかのように、瞬間でこちらを魅了するオーラを放っていた。
2015年、楽器を持たないパンクバンドBiSHのメンバーとして始動、翌年メジャーデビュー。21年に全曲作詞作曲の1st アルバム『THE END』をリリースし、ソロ活動を本格始動。23年6月、BiSHの解散を機に、現在はソロとして活動。22年、日本初上演となるブロードウェイミュージカル『ジャニス』で主人公ジャニス・ジョプリン役を演じる。23年10月には岩井俊二監督映画『キリエのうた』で映画初主演、数々の賞を受賞した。24年9月に初の日本武道館公演『ENDROLL』開催、チケットは即日完売。同年、初の海外ワンマン公演を台北にて開催。7月にはアニメ「ダンダダン」の主題歌「革命道中」のリリースが決定。10月から全国9都市を巡るワンマンツアー『革命道中』を開催予定。

齊藤工/TAKUMI SAITOH
永野が初監督した映画『MAD MASK』(Prime Video、U-NEXTで配信中)にてアイナ・ジ・エンドと共演。ほかに、主演ドラマ「誘拐の日」(テレビ朝日)放映中、Netflix 映画『新幹線大爆破』配信中。また、今冬公開作『港のひかり』に出演。企画・プロデュースした児童養護施設のドキュメンタリー映画『大きな家』(劇場公開のみ)がロングラン上映中。