スペアリブやバーベキューにもぴったりなワイン! ジューシー&スパイシーなジンファンデルをパーティに。
知ってちょっとためになるワイン学習帖 2025.12.23
ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帳」。今回は甘辛系のソースやジューシーな肉料理にぴったりの赤ワインをご紹介!
vol.21 ジンファンデル/プリミティーヴォ
ジンファンデルはカリフォルニアでポピュラーなブドウ品種。1万5000ヘクタールの栽培面積は、赤ワイン用品種として第3位を誇る。
カリフォルニアのさまざまなエリアで栽培され、そのスタイルは実に多様。ジャムのように濃厚でアルコールのボリューム感が大きなワインもあれば、適度にボディが引き締まり、複雑で骨格のしっかりしたワインもある。1970年代や80年代には、半甘口のロゼに仕上げたホワイトジンファンデルが一世を風靡した。
また、イタリアのプーリア州で栽培されるプリミティーヴォはジンファンデルと同一種。飲んでみると確かによく似ていて、果実味豊かでタンニンは丸く、スパイシーだ。両者ともにその起源はクロアチア。DNA鑑定の結果、トリビドラグ、またはツェリナク・カシュテランスキと呼ばれる土着品種と判明した。
ペドロンチェリ・ワイナリー
ジンファンデル マザー・クローン
ドライ・クリーク・ヴァレー 2022
PEDRONCELLI WINERY
ZINFANDEL MOTHER CLONE
DRY CREEK VALLEY 2022
国・地域:アメリカ ノーザン・ソノマ
アルコール度数:15.5%
ソノマのドライ・クリーク・ヴァレーはジンファンデルの銘醸地。イタリア移民のペドロンチェリが1927年にこのエリアの畑を入手した時、すでに植わっていたジンファンデルのクローンを受け継ぐのがマザー・クローンだ。ワインはオーク樽で12カ月熟成。プラムを思わせる黒い果実のフレーバーが広がり、アルコールのボリューム感たっぷり。渋味はほどほどに抑えられ、スパイシーなアフター。

酸味 ●●◯◯◯
果実味 ●●●●●
ミネラル感 ●◯◯◯◯
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タロ
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア
TALO
PRIMITIVO DI MANDURIA
国・地域:イタリア プーリア州
アルコール度数:14%
イタリア半島を長靴にたとえれば、踵の部分にあたるのがプーリア州。プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアというこの品種100%から造られるDOP(原産地呼称)がある。サン・マルツァーノ社のタロは、フレンチオークとアメリカンオーク、さらにステンレスタンクでも熟成。濃密な黒い果実のフレーバー。アルコールは適度に抑えられ、緻密な構造。スパイシーな余韻がそのルーツを物語る。

酸味 ●●◯◯◯
果実味 ●●●●●
ミネラル感 ●●◯◯◯

今月の講師
柳 忠之
ワインジャーナリスト
ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。専門誌、ライフスタイル誌等に寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
*「フィガロジャポン」2026年2月号より抜粋





