新時代の日本酒ツーリズム、クラビトステイの「蔵人体験」がジャパン・ツーリズム・アワード最高賞に。

Society & Business 2025.09.08

長野県佐久地域で生まれた、日本酒文化を体験できる酒蔵ホテル® KURABITO STAY(クラビトステイ)が、2025年度ジャパン・ツーリズム・アワードにて最高賞である国土交通大臣賞を受賞。観光地ではない佐久という地方から生まれた試みが、ツーリズム業界の新たな可能性を切り拓いている。

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©KURABITO STAY

観光の価値は徐々に「効率」から「心が揺さぶられる体験」へとシフトしている。そんな時代に、クラビトステイが、2025年度ジャパン・ツーリズム・アワードで最高賞にあたる国土交通大臣賞を受賞。地方から世界へ発信される挑戦が高く評価されている。

同賞は、日本観光振興協会、旅行業協会、日本政府観光局が主催し、ツーリズムの持続可能性と発展に大きく寄与する取り組みを顕彰するもの。全国の事例の中から選ばれる名誉ある賞であり、地方都市・佐久での取り組みがその頂点に立ったことは業界にとっても象徴的な出来事となった。

クラビトステイが提供するのは、酒蔵に泊まり込みながら蔵人(くらびと)として日本酒づくりを体験できるユニークな宿泊型プログラム。

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©KURABITO STAY

橘倉酒造をはじめ地域の酒蔵や商店と協力し、酒づくりの工程に実際に関わり、蔵人として滞在することができる。これまでに延べ800名、30カ国を超える参加者が訪れ、日本酒文化の奥深さと佐久地域の魅力に触れてきた。

審査の評価ポイントは「革新性」「事業性」「持続可能性」「地域活性化」など。地域の伝統産業を体験型ツーリズムとして再構築し、国内外から観光客を呼び込むことに成功した点は、まさにイノベーションの好例といえる。

この挑戦を率いるのは、BWAアワード2022受賞者でもある田澤麻里香さん。今回の受賞を「地域の宝を世界に届ける挑戦が認められた証」と語る彼女は次のように続ける。

「 日本の観光の未来は、効率ではなく『心が揺さぶられる体験』にこそあると考えます。 BWAの女性起業家の皆さん、一緒に自分らしい価値を信じ、未来を創っていきましょう」

「百年後も誇れる故郷を守り伝える」この言葉をミッションに掲げ、クラビトステイは地方から世界へと挑戦を続けている。酒蔵という伝統を舞台にした人々の心に残る体験は、日本の地方を未来へとつなぎ、新しいツーリズムの可能性を描き出している。

text: Ayumi Yasuda(Routusworks)

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