メシカ創立20周年、ヴァレリー・メシカが語るジュエリー創作への想い。【仕事が私にくれたもの】
Society & Business 2025.12.30
いまも昔もダイヤモンドと創作への情熱は変わらない。

ヴァレリー・メシカ/Valerie Messika
フランス・パリ生まれ。父はダイヤモンドのエキスパート。ソルボンヌ大学を卒業し、フレッドやシャネルのジュエリー・ウォッチ部門でキャリアを積む。2005年に自身のブランド、メシカを設立。
パリのハイジュエリーブランド、メシカが2025年に創立20周年を迎えた。創業者でアーティスティック・ディレクターを務めるヴァレリー・メシカは、ダイヤモンドディーラーだった父から受け継いだ輝きへの愛を軸に、力強さとしなやかさをジュエリーで表現してきた。
「設立時からいまもダイヤモンド、そして創作への情熱は変わりません。20周年は新章の始まり。過去を振り返るより未来へ向かっていく節目」と語る。

製作時間に770時間を費やしたハイジュエリーコレクションの新作「カラハラ」。ダイヤモンド総量103.30ctを飾ったネックレスの主役は、太陽のように煌めく34.92ctのイエローダイヤモンド。(WG×ダイヤモンド)¥408,430,000/メシカ(メシカ ジャパン)
25年7月に発表した記念コレクションでは、ブランドの象徴「ムーヴ」を再解釈。ダイヤモンドが流れるように連なるデザインは、光のリボンのようで、「これは私が描くメシカのイメージそのもの。性別や世代を超えて身に着けられます」とヴァレリー。ブランドは着実に成長を続けてきたけれど、大きくなるほどDNAを守ることが難しい、とも。
「正しい人と価値観を共有し、同じ情熱と熱量で走ってくれる仲間を持つべき。幸運なことに、私は心からブランドを愛してくれるチームに恵まれました。いずれはジュエラーの域を超えたものづくりをしてみたいと思います」

同じく新作の「インカンデセンス」は総量20.04ctのイエローダイヤモンドと89ct超のダイヤモンドが煌めくネックレス(WG×ダイヤモンド)¥191,180,000/メシカ(メシカ ジャパン)
これまでにも香水を創ってみては?と誘われたこともあったとか。
「もちろん興味はあるし、将来的には時計やバッグ、インテリアなども手がけてみたい。でもタイミングを見極めることが重要です。何より、現在を丁寧に積み重ねることが重要だと思うから」
多忙でも家族と過ごす時間は欠かせない。
「人生も仕事も結局はバランス、楽しみながら進みたいです」
*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋
text: Tomoko Kawakami photography: Messika(Valerie Messika)






