ピザ窯を載せたおしゃれ列車で、福岡グルメ旅へ。

Travel 2019.08.27

電車好きのみならず、旅好きの心をくすぐる豪華列車がさまざまに存在する中で、愛らしい存在感を放つ列車が登場した。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」（ザレールキッチンチクゴ）は、福岡の筑後を縦断する旅列車。世界でも珍しい列車内に設置されたピザ窯で焼かれる熱々のピザが、この列車の醍醐味だ。ピザは軽井沢の名店エンボカの今井正氏が、アミューズ・前菜は渡辺康啓氏が監修というのも話題を呼んでいる。

春のメニュー。右上から時計回りに、「あまおうプレミアムスパークリングワイン」「筍とアスパラガスのピザ」「和牛のロースト」「苺とトマトのタルティネ・ラディッシュバター」「人参のグリル・蒸しアスパラにセロリのマヨネーズ・王リンギのバターソテー」。

外装とロゴデザインは、福岡南央子氏が担当。赤とグレーの色合いが可愛い。

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赤いチェック柄が可愛らしいデザインにワクワクしながら車内へ足を踏み入れると、そこはもうおしゃれなレストラン。大きな窓の先には、美しい光とともに筑後の自然が流れゆき、目にも舌にもうれしい時間の始まり。沿線地域の食材にこだわったメニューは、前菜からメイン、デザートまで、素材ひとつひとつにあたたかな感動がある。

トランジットジェネラルオフィスがトータルプロデュース。モダンな内装は、ランドスケーププロダクツがデザイン。キッチン車両を挟んだ全3両52席。

ピザ窯から焼きあがったばかりの熱々が供される。料理はシーズンごとに替わる。

デザートはマカロン3種、チョコレートのパウンドケーキ、和紅茶のクッキーがキュートな箱に入って。

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この列車の魅力は料理だけではない。長年地元の人々の生活を支えてきたローカル列車には、沿線の暮らしそのものが詰まっている。内装には地元ゆかりの素材を使用し、壁の一部に城島瓦、天井の竹細工は久留米の籃胎漆器の職人が手編みで制作、さらには線路で使われていた石を砕いて床やカウンターテーブルの素材に使用しているという。壁に額装されているのは、宝島染工の布や下川織物の久留米絣。地元の伝統がアートとなって車内を彩り、いたるところに筑後の歴史や技を感じられるのも、なんとも心地よい。

宝島染工の布が随所に飾られて。

鹿児島睦氏による、筑後川をイメージしたブリキのパネルデザインも必見。

4人席の壁には400年の歴史を誇る城島瓦が。いぶし銀を生かした色みが特徴。

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ランチを堪能し終える頃、列車は柳川へ。下車も可能な町中にお堀が巡る柳川で、愛嬌たっぷりの船頭さんと川下りを楽しむのも一興だ。列車は柳川を出ると、終点大牟田へ。天神を出発してから約2時間30分、おいしい列車旅の終焉だ。大牟田を降りたら、ぜひ町を散策したい。昔から愛される老舗の菓子屋、人々を繋ぐカフェスペースなど、大牟田の歴史や人々に触れてみると、またこの旅の楽しさを、しみじみと実感できるだろう。

列車を降りて立ち寄りたいおすすめスポット

柳川｜
左：椛島氷菓で旬の果物を使った手作りアイスキャンデーを。レトロな建物もいい。
右：船頭さんとレトロな風情の船でお堀を巡る川下り。歴史語りや歌を披露してくれることも。

大牟田｜
左：駅から徒歩5分の「ROOTH2-3-3」で、地元の人とおしゃべりしながらドーナツとコーヒーを。
右：総本家黒田家の大牟田銘菓「草木饅頭」はやさしい味。お土産にもおすすめ。

ザレールキッチンチクゴ
THE RAIL KITCHEN CHIKUGO

・ブランチの旅￥3,240：福岡（天神）駅9：51発～太宰府駅10：30着（金）、10：31着（土、日、祝）　

・ランチの旅￥8,640：福岡（天神）駅11：50発～柳川駅（降車のみ）13：42着～大牟田駅14：14着

・ディナーの旅￥8,640：大牟田駅17：40発（金）、16：40発（土、日、祝）～柳川駅（乗車のみ）18：21発（金）、17：21発（土、日、祝）～福岡（天神）駅20：13着（金）、19：13着（土、日、祝）　