坂と階段の町、尾道の楽しみ方 かつての豪商の別荘で、ゆったりと流れる時間を慈しむ。

坂と階段が多い特殊な地形により、建て替えや再開発をまぬがれた尾道。昔からその場所にある建物や道具や技術は、若い世代や移住者たちへと受け継がれ、大切に紡がれている。

築80年の茶園（かつての豪商たちが山側に建てた別荘）建築に惚れ込み、東京から移住を決意したオーナー夫婦が営むカフェ兼ゲストハウスが「水尾之路」。隅々にまでオーナーの美意識が行き渡った心地よい空間は、時代を感じさせつつも洗練されていてモダン。屋敷にあったという桐ダンスや文机などの古道具と、デザイナーズ家具が調和する贅沢な空間を楽しみたい。

2階は1日1組限定の宿泊スペース。欄間や丸窓、雪見障子など、美しい日本家屋のしつらえがそのまま残されている。

屋敷に残されていたという数々の骨董品が大切に受け継がれている。

建物の1階はカフェ。手作りのタルトや、地元の焙煎所クラシコの豆を使用したコーヒーが楽しめる。

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※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋