レトロな台南を散歩して、美食ざんまい。 古都の風情を感じる、台南の宿にステイ。

Travel 2019.11.01

老房子の面影を残しながら、独自に手を加えた民宿やホテル。小さいからこそ温かさのある宿で、台南の古きよきムードに浸りたい。

ほどよい親密さが心地よい、6室だけの古民家宿。

湧福驛站(ヨンフーイーザン)

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最上階のダブルベッドルーム。寛げるように奥には小上がりを設けた。壁には抽象柄の鐵窗花が。

オーナーのアンティーク好きが高じて、レセプションや各部屋にその時代の古きよきものがセンスよく飾られている。古民家の窓にしつらえられた鉄製のフェンスは鐵窗花(ティエチュアンホァ)と呼ばれ、日本統治時代が終わり、人々の暮らしが豊かになった頃に流行っていたもの。部屋や階段の脇には実際に使われていた鐵窗花があり、可愛いアクセントに。民宿のよさはゲストとのほどよい距離感だと話すオーナー。おすすめの店を聞かれて、知る人ぞ知る隠れ家を教えたり、ときには一緒に行くことも。この宿では泊まるだけでない、友人の家で過ごすような温かさを実感できる。

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階段の脇も個性的。

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100年以上前の薬棚などが飾られたレセプション。床は小石を敷き詰めて柄を描く磨石子細工が。これも古い建物の特徴のひとつ。

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約60年前の老房子を改装。こぢんまりとした民宿。

湧福驛站
Yong Fu Yizhan


台南市中西區大福街36巷5號
tel:0956-167-168
全6室 バスタブ付き1室、シャワーのみ5室
ツインルーム1,680元~、ダブルルーム1,880元~
朝食なし
カード:Ⓙ、Ⓜ、Ⓥ 
www.facebook.com/hpi6040v

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抜群の立地とホスピタリティがくれる安心感。

古根文旅(グーゲンウェンリュー)

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雰囲気のあるレセプション。レンガ造りの壁にヘリンボーンの木床がシック。入口はオートロック式。

日本統治時代、末廣町という名で最も賑わいを見せていたエリアに立つ。当時、この界隈で名の知れた遠東大旅社というホテルの建物を改装し、2015年にオープン。当時の面影を残しながらも快適さを追求したいと、最上階には24時間開いているライブラリー兼パブリックルームを併設。毎日人気店から届けられる朝食は、レセプションの隣のゲスト専用カフェでゆっくり食べられる。事前にリクエストがあれば、オーダーメイドで旅のプランを立てたり、荷物のパッキングサービスを行うなど、どこまでもゲストに寄り添った姿勢がうれしい。

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清潔感あふれるダブルベッドルームは、4人まで宿泊可能。シングルベッドルームは1~2名用。

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この日の朝ごはんは台湾の定番、粽(ちまき)。甘めのお味噌汁と。

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宿の隣のカフェは、ゲストの朝食時にのみ使われる。

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レンタサイクルもあり。狭い路地を自転車で効率的に回るのも手だ。

古根文旅
Gu Gen Wen Lu


台南市中西區友愛街148號
tel:0933-338-369
全24室 全室シャワーのみ
シングルルーム2,550元~、ダブルルーム3,780元~ 
朝食込み
カード:Ⓐ、Ⓙ、Ⓜ、Ⓥ 
www.rootsinn.com.tw

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市井の暮らしが体感できる一軒家にステイ。

謝宅(シエザイ)

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磨石子が個性的なリビングキッチン。家族が使っていたというアンティークの棚や年代物のコンポがさりげなく置かれている。

アドレス非公開のため、中心地区の西市場でオーナーと待ち合わせ。狭い狭い階段を上がって宿にたどり着く。10年ほど前、当時会社員だったオーナーの謝(シエ)さんは、周辺の歴史ある古い建物が取り壊されていくのを見て、守らなければと一念発起。空き家になっていた実家や親戚の家屋をリノベして、独自の宿を旅行者に提供してきた。こちらは4棟あるうちの1棟目。床の磨石子(ムォシーズ)(人造大理石)が素敵なリビングキッチンは、正方形の窓枠はそのままに、水回りや作業台のサイズを変えるなど、実用性を重視して随所を改装。畳に布団が敷かれた和風の寝室は、蚊帳が懐かしさを誘う。そしてなんといっても、最上階に作られたバスルーム! 重厚感ある石造りに贅沢なまでの広々とした空間は、夜空を眺めながら一日を締めくくるのに最高のひとときを約束してくれる。

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リビングの横にはこぢんまりとしたテラスが設けられている。中心地にありながら、静かで心休まるひとときを過ごせる一角だ。

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「子どもの頃、あると安心したので」と、寝室には精緻な刺繍の蚊帳を取り付けた。蚊帳も布団も台南の職人による一点ものを使用している。

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バスルームだけでワンフロアという贅沢さ。現代では珍しくなった石造りが懐かしい。テラスへの扉を開ければ湯船に浸かりながら夜空を眺められる。

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同じオーナーが営む別の一軒家の宿。中2階の造りが人気。

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中庭には八重桜が植えられている。宿泊を希望する家が借りられない場合は、空いているほかの家を紹介してくれるシステム。

謝宅
Xie Zhai


アドレス非公開
tel:0922-852-280
料金応相談
Paypalにて前払い。
カード : Ⓐ、Ⓙ、Ⓜ、Ⓥほか、登録可。
フェイスブックかメールにて宿泊希望日、人数、料金予算を連絡すること。英語・日本語可。
www.facebook.com/TainanOldHouseInn
oldhouseinn@gmail.com

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<台南中心部へのアクセス>
台北からは、高鉄台北駅から高鉄台南駅まで約2時間。高鉄台南駅から市内中心部へは、隣接する台鉄沙崙駅から台南駅まで約20分。タクシーで高鉄台南駅から約30分。

<安平へのアクセス>
台鉄台南駅バスターミナルから2、88、99番バスで「安平古堡(安平路)」下車。タクシーで、台鉄台南駅から約20分。

●1台湾元*=約3円(2019年6月現在) *以下、略称「元」で表記。
●日本から電話をかける場合、台湾の国番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●地図内の「站」は鉄道の駅を意味します。
●クレジットカードは略記。Ⓐ=AMEX、Ⓓ=DINERS、Ⓙ=JCB、Ⓜ=MASTER、Ⓥ=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日や年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。

※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋

photos : SATOKO IMAZU, réalisation : MIO YAMAZAKI, coordination : YUKO IWATA, collaboration : KATSUHIKO OKUNISHI (TIL space Co., Ltd)

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