福山雅治が弁護士を演じる、是枝裕和監督渾身の法廷劇。
Culture 2017.09.28
"真実より戦術"の弁護士が、殺人犯と一期一会に対峙する時。
『三度目の殺人』
解雇された前科持ちの容疑者が食品会社社長を殺した罪を自供する。弁護士(福山雅治)は有罪を前提に策を練る。が、亡き社長の一人娘(広瀬すず)が証言台に立つと知るや、公判も終盤を迎えて、容疑者はなぜか否認に転じる。裁判に真実は不要、周到な戦術があればいい、とプロの余裕をかます弁護士の足場が、緊迫の接見室でみるみる危うくなる戦慄感。誰かを庇っているのか、愚弄しているのか。優しさと残酷さの両極に振れる役所広司の容疑者が蠱惑的なまでに怖い。自作の原案による是枝監督渾身の法廷劇。
*「フィガロジャポン」2017年10月号より抜粋
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