2025年、読むべきビジネス書。羽生祥子がとっておきの5冊を厳選!【いま知りたいことを、本の中に見つける vol.9】

Culture 2025.09.02

知りたい、深めたい、共感したい──私たちのそんな欲求にこたえる本を26テーマ別に紹介。各テーマの選者を手がけた賢者の言葉から、世界が変わって見えてくる贅沢な読書体験へ!
vol.9は「2025年、読むべきビジネス書」をテーマに、著作家、メディアプロデューサー・羽生祥子が選んだ5冊を紹介。世界の多彩な知識を身に着けることは、この先ビジネスのさまざまな場面で役立つと心得て、書に触れよう。


選者:羽生祥子(著作家・メディアプロデューサー)

2025年、読むべきビジネス書。

ビジネスに役立つ本は、「ビジネス書コーナー」には置いていない場合が多い。もちろん業務上スキルアップが必要な実用書(決算書の読み方とか、ビジネス英語とか)は、パパッと買ってパパッと読んだらいい。だけど、長く仕事に役立つエッセンスというのは、歴史とかテクノロジーとか心理学とか宗教とか、そういうものに秘められている。間違っても「てっとり早く身につけよう!」と思わないこと。深遠な世界の多彩な知識を、断片でもいいから求め続けていくことが、結局はビジネスに生きるんじゃないかな。私のとっておきの5冊を紹介!

1. 『ワーク・シフト』

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リンダ・グラットン著 池村千秋訳 プレジデント社刊 ¥2,200

13年前に出版された本なのに、まるで現在を透視したかのような、2025年のビジネスシーンを予測した啓発本。物語仕立てなので読みやすいし、共感だらけ! コロナの何年も前からこのワークスタイルを予見していたことに脱帽。注目は、AIやチャットワーク化による「労働時間の細分化」。ネットで繋がりまくってオンライン会議をしまくった先に、孤独と貧困が待っているってマジ? じゃあどうすれば⁉ という提言をお楽しみに。


2. 『現代語訳 論語と算盤

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渋沢栄一著 守屋淳訳 ちくま新書 ¥902

日本の経済・産業の父と呼ばれる渋沢栄一による、名著『論語と算盤』を現代語訳したコンパクトな新書。私もよく「ビジネスって、稼ぎと勤めの両輪が大事だよ!」と発信しているが、これからの企業が「収益化」と「社会貢献」の両立をどう図るかが学べる一冊。特に若い方々が好む社会課題解決型ビジネスは、どうやって実現できるのか、組織のビジョンは何なのか、そんな経営者視点も身につく。

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3. 『集団浅慮
政策決定と大失敗の心理学的研究

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アーヴィング・L・ジャニス著 細江達郎訳 新曜社刊 ¥4,730

わたくし企業のダイバーシティ経営研修をよくお引き受けするのですが、そこでよく出る質問が、「多様性はなぜ組織の成長に必要なんですか?」。この問いに、実例取材と分析力をもって真っ向から解を出そうとした本。米国の心理学・政治学者である著者が、「均一な組織が陥る病=グループシンキング」を分析。トランプ政権による反DEIの流れもある中で、健全な組織に多様性がいかに不可欠か、腹落ちできる一冊。

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4. 『ユーモアは最強の武器である
スタンフォード大学ビジネススクール人気講義

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ジェニファー・アーカー、ナオミ・バグドナス著 神崎朗子訳 東洋経済新報社刊 ¥1,980

海外出張に行くといつも感じるのが「海外のビジネスシーンて、なんでこんなに素敵なユーモアにあふれているの⁉」ということ。日本人はマジメ・面白味がないという評が定番だけど、日本企業がもっと元気を出すための最終カードは、「ユーモア」なんじゃないかって、私は本気で思ってます。職場にユーモアを取り入れる効果や簡単なノウハウが、それこそユーモアたっぷりに書かれています。これからリーダーになる方にお薦め!

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5. 『増補 情報の歴史
象形文字から人工知能まで

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松岡正剛監修 編集工学研究所構成 NTT出版刊 絶版 ※データが追加された『情報の歴史21 増補版』 編集工学研究所刊 ¥7,480

グローバル化、VUCAの時代、地政経学が注目される今こそ、地球まるごとの歴史を東西横断で「俯瞰」する力が超重要!「100年に一度の危機」とか「未経験の世界不安」といった言葉が陳腐に思えるほど、人間の進化はかくも繰り返されてきたんだなぁってことが分かる。キーワードが目に飛び込んでくる年表形式なので、コーヒー片手に気軽にページをめくることができて、オフィスに置いておきたい一冊。

羽生祥子|Sachiko Habu 著作家・メディアプロデューサー
京都大学卒。2005年、日経BP入社。「日経DUAL」「日経xwoman」を創刊し編集長に。22年に独立起業。著書に『ダイバーシティ 女性活躍はなぜ進まない? 組織の成長を阻む性別ガチャ克服法』(日経BP刊)など。
https://x.com/habu_sachiko

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*「フィガロジャポン」2025年9月号より抜粋

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