サブリナ・カーペンターやシドニー・スウィーニーも! Z世代セレブたちがブリトニー・スピアーズをオマージュする理由。
Celebrity 2025.10.08
インスタグラムでは連日のように裸同然の服装で踊りまくる動画をシェアしてメンタルを心配されているブリトニー・スピアーズ。だが、Z世代のセレブたちの間では、ブリトニーをオマージュにしたファッションがトレンドとなっている。
今年のMTVのビデオ・ミュージック・アワードでパフォーマンスを披露したサブリナ・カーペンターは、メドレーで複数の衣装をチェンジ。その中でも、雨が降り注ぐステージでフリンジ付きブラとホットパンツのセクシーなスタイルは、2001年のブリトニーのツアーでの『ベイビー・ワン・モア・タイム』のパフォーマンスにそっくりだと話題に。
サブリナは2024年のビデオ・ミュージック・アワードのパフォーマンスでも、ブリトニーの2000年の大ヒット曲『Oops!...I Did it Again』の一節を使用。これに対しブリトニーは「私は母親なので、時々有名であることを忘れてしまいます、私は少し年を取っていますし。だけど、(サブリナは)私をかっこいいと感じさせてくれた」、「彼女に憧れています」とインスタグラムの動画でリアクションしていた。
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Itガールのシドニー・スウィーニーも、宇宙をテーマにした先日の28歳のバースデーパーティーに、2008年のブリトニーのアルバム『Circus』を思わせるギャラクシードレスで登場。このパーティーには、俳優のグレン・パウエルやアマゾン創設者のジェフ・ベゾスの妻ローレン・サンチェス・ベゾス、ディプロなどの豪華なゲストたちが参加。
なぜいま、ブリトニーがZ世代たちをインスパイアしているのだろう? ひとつにはもちろん、90年代やY2Kのブームで、90年代後半に『ベイビー・ワン・モア・タイム』でブレイクした彼女はわかりやすいアイコンだという背景がある。キャッチーなヒットチューンの数々は、いまも色褪せず人々に愛されている。
さらにシンパシーを呼んでいるのは、その生き方と正直さ。16歳でディズニーチャンネルのスターとなり、家族から虐待を受け搾取されてきたブリトニーの壮絶な半生は、彼女の自叙伝『ザ・ウーマン・イン・ミー(原題)』やドキュメンタリー番組などを通して世間にも知られている。2000年に、当時交際していたジャスティン・ティンバーレイクとの子を妊娠し中絶したことを著書の中で告白。その後結婚したバックダンサーのケヴィン・フェダーラインと2006年に破局したのちに、2007年頃からはメンタルダウンし、パパラッチたちが見守る中突然バリカンで自分を丸刈りにしたり、傘でパパラッチを攻撃するなどの奇行が撮られた。
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そんな彼女のメンタルヘルスが危ぶまれ、2008年からは成年後見制度により実の父親がブリトニーの約68億円もの財産や言動を管理。避妊具を装着する手術を強制的に受けさせられ、すべてを監視されていたブリトニーを救ったのは、2009年頃にスタートした「フリー・ブリトニー(ブリトニーに解放を)」運動。2020年に盛り上がりを見せたこのムーブメントの影響で、ブリトニーは2021年に、ようやく14年ぶりの自由を手に入れた。
そのような状況から復活し、自由を表現するためにヌードのセルフィーをSNSに上げ続けている彼女は、メンタルヘルスやボディイメージ、SNSとの付き合い方などのZ世代たちが抱える現代の問題と戦う、象徴のような存在。自分を曝け出すことを恐れないブリトニーの勇気と強さ、逆境から立ち直ったレジリエンス(回復力)は、彼らをエンパワーメントするヒーローなのだ。
text: Moyuru Sakai