女優のエマ・ワトソンが、ケリングの取締役に就任。
Fashion 2020.06.24
持続可能な開発への取り組みと世界中の女性の権利を主張することで知られる30歳の女優、エマ・ワトソンが、6月16日にグローバル・ラグジュアリー・グループ、ケリングの取締役会に加わった。ケリンググループのCEOであるフランソワ=アンリ・ピノーは、「世界で最も有名な活動家のひとり」の任命を歓迎した。
30歳にしてラグジュアリーブランドグループ、ケリングの取締役に加わったエマ・ワトソン。photo : Abaca
イギリス出身の女優であるエマ・ワトソンは、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)でその名が知られるようになり、最新作『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(19年)は公開されたばかりだ。また、彼女は世界的に知られる活動家であり、エシカルなファッションを支持する先駆者でもある。さらに女性の権利を守るための活動も積極的に行なっている。
ケリングが環境とジェンダーの平等に熱心に取り組む人物を選任したことは偶然ではない。ケリングCEOのフランソワ=アンリ・ピノーが以下のコメントで強調しているように、環境とジェンダーというふたつの軸に戦略的に取り組むことを同社は重要視している。「エマ・ワトソンは、国連女性機関(UN Women)親善大使としての役割を通じてジェンダー平等を目指す活動を行い、また環境保護活動に真摯に取り組んでいます。とりわけ環境に配慮したファッションを推進しようという彼女の考えは、我が社の価値、そして今後の課題と強く共鳴しています」
持続可能な開発、そして一体化を重視
覚えておきたいことは、ケリング社の全社員の63%は女性であること。さらにグループのマネジメント職のうち51%、そして取締役のうち60%を女性が占める。これはとても稀な数字だ。
持続可能な開発の観点から、1月に発表された結果はグループの進捗状況を示している。2025年には40%を目指しながら、環境全体への負荷を14%削減し、温室効果ガス排出量を77%削減し、7カ国で100%再生可能エネルギーを使用し、100%責任ある供給元から時計や宝飾品の材料調達を行ない、主要な原材料のトレーサビリティ(履歴情報管理)を88%まで行うなど。
フランソワ=アンリ・ピノーは次のように続ける。「エマ・ワトソンは、グループ内でこれら主要な問題改善に向けた最前線に立っています。新型コロナウイルスに関連する世界的な危機を克服するだけではなく、私たちが本当に必要としている変化を起こすためにも、これまで以上に持続可能な開発と一体化が優先事項であると確信しています」
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texte : Morgane Miel (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi