河合優実が拓く、自分の運。【煌めく主人公たち。】
Fashion 2024.05.18
物語の主人公は自分自身。いつだって自身と向き合う真摯な心が、ストーリーを新章へと導いてくれる。フィガロジャポン6月号に登場した俳優6名のスペシャルインタビューを公開。河合優実が夢いっぱいに描く、煌めく世界を覗いてみよう。
Starring Yuumi Kawai
ノンシャランに重ねたネックレスを河合優実が纏うと、水面に映し出されるもうひとつの世界のようにキラキラとした輝きが増す。主人公でいるために大切なのは、運の強さだと語る彼女。「目に見えない力もあると思うのですが、運気は自分の言葉や考え、行動次第で変わるものだと思います」と、着実に積み重ねてきたキャリアを裏打ちするメッセージとともに、まっすぐに未来を見つめて。ジャケット¥1,059,300、スカート¥635,800、ヘッドバンド¥324,500、ブローチ¥101,200、ネックレス(上から)¥210,100、¥355,300、¥236,500、シューズ¥456,500/以上シャネル(シャネル カスタマーケア)*「フィガロジャポン」2024年6月号より抜粋
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INTERVIEW
実直に、着実にキャリアを重ねる俳優の河合優実。社会現象となったドラマ『不適切にもほどがある!』でさらなる注目を集めた彼女が、時代を切り開くマインドセットを語る。
─今回煌めくファッションアイテムを纏っていただきましたが、いかがでしたか。
シャネルのアイテムは、繊細な手仕事にいつも心ときめきます。シューズにもスパンコールがたくさついていて、素敵だなと思いました。
──撮影では、ミニ河合さんを心の中のもうひとりの自分に見立ててコラージュしました。最近感じている自分の中の心の声を聞かせてください。
「寂しいなー」って、少しセンチメンタルな気持ちです。今日のフィガロの撮影は、ドラマ『不適切にもほどがある!』の撮影がちょうど終わったタイミングだったのですが、寂しいっていう場所がないので心の中で噛み締めています。もうこの役はやらないと思うとやっぱり寂しいですね。
─社会現象になったドラマ『不適切にもほどがある!』では、たくさんの声が河合さんのもとに届いたと思います。かけられた言葉で印象に残っていることはありますか。
プロデューサーの磯山さんや阿部(サダヲ)さんと撮影後にメッセージでやりとりをしていて、私が長文でお礼を送ってしまったのですが、阿部さんから「よく考えてお芝居をしているのが伝わってきて楽しかったです」とお返事をいただいて、それが本当に、本当に嬉しかったです。
─6月には主演映画『あんのこと』も公開になります。着実にキャリアを積み重ねている河合さんですが、もどかしさを感じることはありますか。
ずっとひとつの作品に取り組んでいると、思うようにできないことももちろんあって、自分に対してもどかしさを感じます。一緒にやっているみなさんがいい環境でやれているかということも常に気になるので、自分のことではなくても落ち込むこともあります。
─そういうときはどのように対処しますか。
吐き出すこと。人に話したり、文字に書き出したりすると整理されることがあります。自分はいま、すごくストレスを感じているんだなとか、どうしてうまくいってないかが整理されるので、アウトプットするようにしています。
─物語の主人公であるために欠かせない力はどんなものだと思いますか。
運気が強いと思います。目に見えない力も大きいと思うのですが、自分の言葉や考え、行動次第で運気って変わっていくものだと思うから。そういうものが主人公力というものに近いのかもしれません。
─その運を掴むために大切なことは何でしょうか。
興味があること、掴みたいと思うものを自分でわかっていること、ですかね。落ちてくる全部を掴もうとしてもいい波には乗れないので、自分のセンサーを磨いて、これだと思うものを掴む準備をすることが大切だと思います。自分ができていないから、そうありたいという思いも込めて......。
─フィガロジャポン6月号はロマンティック特集。河合さんにとってのロマンティックって?
ぱっと思い浮かんだのは、映画『ポンヌフの恋人』。ちょっと異質に見えるけど、キュンキュンするんです。普通の恋愛映画ではないようにみえるけど、ああいう2人にロマンティックを見いだした監督がすごいなと思いました。
─時代を担う表現者のひとり。これからどういうことをやってみたいですか。
時代を担っているとは思わないのですが、そうありたい。私含め、謙遜してしまう部分もあるのですが、表現を仕事にしているということは、みんな時代を担っている、みんな世の中の声を代弁しているんだよということを自覚して、いろいろな人と一緒にものづくりができたら、何かをちょっと前に進められる気がします。時代が変わりつつあるいま、ものづくりがトップダウンである必要はない。世代関係なく、アイデアをシェアしていけるようにしたいと思いますし、いま、そう変わっている気がします。
2000年生まれ、東京都出身。映画『サマーフィルムにのって』、『由宇子の天秤』(ともに21年)で数々の映画賞を受賞。放送中のテレビ東京のドラマ「RoOT / ルート」でW主演、6月7日公開の映画『あんのこと』で主演を務める。
Index
▶︎鈴鹿央士が引き寄せる、新しい未来。
▶︎河合優実が拓く、自分の運。
▶︎山田杏奈、いつだって自分自身が主人公。
▶︎桜田ひより、強い心を持って前へ。
▶︎當真あみ、表現したいのはいろいろな私。
▶︎窪塚愛流、オリジナルの個性が輝く時。
photography: Osamu Yokonami styling: Chikako Tanifuji hair: Takayuki Shibata(Signo) makeup: Nobuko Maekawa(Perle)