【ミラノコレクションDay5】ボッテガ・ヴェネタにしか作れないものがある。

先日幕を閉じた2025年春夏コレクション。実際にショーを訪れたエディターのコレクションダイヤリーをお届けします! まずはエディターSachiko Tashiroによる、ミラノ日記をご紹介。

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毎シーズン旅がテーマのボッテガヴェネタ。今回は、過去と現代の空想のイマジネーションの旅へと誘ってくれた。ティーンエイジャーだった頃の記憶を、遊び心たっぷりに表現。ショーの中盤に登場した、全身皺くちゃのTシャツ姿のモデル。しわくちゃの服は、青春時代を象徴しているという。驚くべきことに、このくちゃくちゃのTシャツ、デニム、腰に巻いたシャツまで全アイテムがレザー製だ。また、ファーのように見えるボリュームのある素材も細かくカットし引き出し立体感を持たせたレザーだ。

マチューは素材を進化させていく魔術師であり、ボッテガ・ヴェネタの職人たちでしか成し得ない実験的なモノづくりを続けている。ジャケットやドレスなどウェアラブルなルック、商品化は不可能であろう工芸品のようなルックまで、最初から最後までただただ圧倒されるショーだった。

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バレエの練習着を着想源にしたフェラガモ。バレエダンサーの身体を体現するかのように素材は柔らかでしなやか、そこにマクシミリアン特有のオーガニックで有機的なカッティングが加わり、全体的にリラックスしたムードが漂うコレクションだった。バレエのアイテムはビスコースのニットで表現され、コートは身体に馴染んだ風合いのしわ加工を維持するために、メタルを糸として織り込むなどの技術も用いられた。

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104800kgのデニムの端切れでショー会場を埋め尽くしたディーゼル。廃棄物の美しさや、再利用や、循環性を表現。ショーの終盤に登場した、アーカイブのバンダナプリントでドレープや結び目を表現したドレスがシーズンテーマを象徴していた。

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シークレットゲストとしてマドンナがショー会場に来場したドルチェ&ガッバーナ。ソーシャルマーケティングのためにショーにセレブリティを呼ぶという現在のスタイルになる以前の90年代、デザイナーと友人同志ということもあり、マドンナは毎回ドルチェ&ガッバーナ のショーに来ていたそう。ランウェイのモデルは全員がコーンブラを着用。ディーバがファッションにリンクした最初のアイコンである彼女のスタイルに敬意を評したコレクションが披露された。ショーのファイナルでデザイナー2人がランウェイを降り、マドンナとハグし合う姿に会場が沸いた。

【ミラノコレクションDay1 】フェンディ流のアールデコ、マルニ流のスイートネスが華開いた日。
【ミラノコレクションDay2】ファッションとは旅のようなもの。
【ミラノコレクションDay3】新しい視点を授けてくれるプラダと、美しいテーラリングを完璧な着せつけで魅せるマックスマーラ。
【ミラノコレクションDay4】メゾンやファミリーが受け継ぐアーカイブをなぞりながら、いまの時代、これからの未来を見つめる

フィガロジャポン副編集長。ファッション担当。愛車(自転車)で爆走する姿を、都内のあらゆる場所で目撃される日々。この夏は、素手でヤモリとカブトムシとコクワガタをむんずと捕まえられるようになった。真夜中に一人で湯船に浸かりながら、こっそりと読書をする時間が何よりのご褒美。今一番欲しいものは、好きな服が似合う身体。好きな野菜は豆と茄子、菌類はキノコ、細胞はマクロファージとキラーT細胞。

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