日本の伝統文化を原宿から世界へ。タバヤ ユナイテッドアローズとは?
Fashion 2025.08.27
和洋のスタイルや時代を超えて、美しいものが響き合う贅沢な空間――東京・原宿から日本の伝統文化を世界に発信するタバヤ ユナイテッドアローズが装いを新たにオープン。その洗練のセレクトやインテリアを案内する。
伝統文化の神髄を、世界に発信する新装開店。
本館2階は、宮大工が無垢の木と土壁で作った数寄屋造りの茶室、順理庵が中央に。ショーケースには、伝統工芸品が置かれている。特注の朝日焼のうつわ¥275,000、扇子¥7,700も。
今年4月、ユナイテッドアローズの原宿本店が生まれ変わった。1989年の創業以来、東西の文化の融合をテーマに海外製品と日本の伝統関連商品を紹介してきたが、近年、自国の伝統文化の本質を国内外に向けて発信する必要性がより高まり、92年にスペインの建築家、リカルド・ボフィルが手がけた外観建築はそのままにフロア構造を改装。伝統的な日本建築の技術を随所に取り入れた空間に、洗練された工芸品を取り揃える。
地下1階は、国内外の厳選したメンズ&レディスのウエアとアクセサリーのフロア。天井は木の格子、一部は美里粘土を使った荒壁仕上げで、特にアクセサリー売り場の壁は、真鍮を練り込んだ金の左官壁に。
茶室の向かい側では、京都の骨董商から仕入れた古伊万里の皿などを販売。
アネックス2階には、キトワのお香などハイセンスな日用品が並ぶ。
本館2階には、象徴的なしつらいとして数寄屋建築の茶室が構えられた。ここは日本の真正の美を掲げる専門店、順理庵だ。牛首紬など和装の織物で作ったメンズのジャケット、印伝のバッグ類、漆製品などを展開する。その向かい側と通路を挟んだアネックスには、日常使いの工芸品や骨董品――たとえば、デザインコンシャスな中川木工芸の木桶、開化堂の銅、ブリキ、真鍮の茶筒、山中塗の名工である辻石斎の漆器などが並ぶ。このエリアの内装には、ステンレスなどシャープな素材を採用し、和と現代との調和を表現した。
伝統的なものの美意識は、実は現代の上質なライフスタイルの最先端ーーそれを体感できる空間だ。
アクセサリーのコーナーは、金の左官壁とタイルの床のコントラスト。
地下1階のメンズ&レディスウエアでは、セッチュウ、コモリなど日本デザイナーに加え、ロエベ、ザ・ロウなど欧米メゾンも展開する。

TABAYA United Arrows
東京都渋谷区神宮前3-28-1
050-8893-3357
営)12:00~20:00
不定休
https://store.united-arrows.co.jp/
*「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋
photography: Yasuyuki Takagi text: Kaoruko Yasuda