シトウレイのパリコレ日記 【パリコレ日記 vol.2】おとぎ話のようなプレゼンテーション。

Fashion 2020.03.18

シトウレイです、Bonjour bonjour!

快晴の中、朝一のKENZO(ケンゾー)のショーに向かう。クリエイティブディレクターが変わって1回目のショーなので、どんな風になるかと思ってい、た、ら!

ぜ、全然違う! ポップでキャッチー、ウェイウェイしてたかつてのケンゾーから、ググッとモードに舵を切ってた!

だってファーストルックとか全身黒だし! え? ケ、ケンゾーのショー、、、だ、よ、ね? と思わず招待状見返してしまいました。

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私的にはこの方向性は好きなアレ!
いい意味で人を選ぶというか、本当にお洒落の手練れでないと着こなせないムードを孕んでる洋服だと思うから。
特にコートとかアウター類のシルエット―――なんていうのかな、腰の位置低めの所でウエストマークしてあるやつ―――が上級者感漂ってて好みです。

次はMAISON MARGIELA(メゾン マルジェラ)

「レイちゃんの好きなブランドはど……」「マルジェラ!」と食い気味で毎回言ってしまうのですが、本当に本っっ当に大好きで。ガリアーノになってからは特にここ数シーズン、クリエイションの面でも、ブランドとしても「あぶらがのってる」のを感じてます。

で、、、、、!!!! もう!!!! ショーといったら!
わたし、久しぶりの久しぶりに「洋服」というクリエイションに感動したんです、モデルさんが歩いてくるたびに見入ってしまって、もう胸が苦しくなっちゃって(息するの忘れてたから、という理由もありますが)。

美しいとか、かっこいいとか、新しいとかエモいとか、そういうのを凌駕したところで心を震わせる服を、ガリアーノ率いるメゾン マルジェラは作ってる。

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素敵なショーを見て心がポカポカしたその足で向かったのは、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の香水のプレゼンテーション。

会場全体が生花で覆われてて、女子全員が大好物な空間になってた!お察しのとおり、発表された香水もフローラル系でフレッシュな香り。

近くだったので、その足でPATOU(パトゥ)のプレゼンテーションにも顔出して。

「カワイイ」を作り出すならまず彼でしょう、フランスの生んだカワイイのエキスパート、ギョーム・アンリが手がける新生パトゥ、「これ好きじゃない女子いないだろ」ってレベルで
How Lovelyyyyyyyyyyyy‼

ラブリーはもちろん、素材であったりパターンだったり、そこここにあふれるディテールであったり……ひとつひとつのクオリティがメゾンのそれ。老舗メゾンという背景を持ったハイクオリティ・カワイイがここにはある。

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「カワイイわぁ、カワイイわぁ、はぁカワイイって正義よね」、とつぶやきながら向かったのは、こちらもカワイイの筆頭株主(←私的に)ROCHAS(ロシャス)

アレッサンドロ・デラクア率いるロシャスの最後のショーとあって、切なさ胸に抱きしめ食い入るように見てしまっておりました。

どのルックも素敵だったけど、中でもお気に入りは

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こういうファサファサしたのとか

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あーんもう、シルエットとかもう最強じゃない?

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こういう胸元がーん! と開いたシルエットも好き! なのに足元は靴下履いてるとかって……。スタイリングにツンデレがすぎる!

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私が男子なら、こんな風に全身桜色な彼女が前から現れたら何も言わず抱きしめるね絶対。

全ルックはコチラ

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さ、その次に向かうのは毎回プレゼンテーションが秀逸なHERMÈS(エルメス)のシューズのプレゼンテーション。エルメスはプロダクトとして美しい、丁寧で細やかな靴を作っているから見ているだけで心が豊かな気持ちになるんです。

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はぁ、美しい……。

今回気がついたのは、シューズにおけるトレンドの形や素材の変化。こんな風にゴムみたいなブーツとか長めのブーツ(これは長靴といっていいのだろうか……)にトレンドがシフトしているな、と。実際街でストリートを撮ってても、お洒落だなって思っている人はスニーカーを脱いで、こういう系を履いてる人が多くって。 

そうそう、エルメスの靴のプレゼンテーションは、毎回膝から下だけしか見えない、足のみのパフォーマンスが展開されてるんです。

このしなやかな動き! 私は勝手にストーリーを妄想して見入ってます(←もはやちょっと不審者)。

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そうだ、もうひとつすごいプレゼンテーションにも行ったのだった。ROGER VIVIER(ロジェ ヴィヴィエ)
もうもう! すごいの!! ちょっと見てもらっていいですか?

まず怪しげなマダム(もしくはムッシュ?)が現れ、占いをしてもらい、

シュールな猫(姉妹?)の部屋にいざなわれ、

最後にピンクのコックさんからキラキラした夢のパウンドケーキをふるまわれる。

なんだか現実を離れ、白昼夢を見ているかのような気持ちになる空間と時間。

ロジェ ヴィヴィエの人たちは、単に靴とかバッグを発表するっていうのはなくて、まず自分たちの在り方だったり世界観をいちばんに伝えるってことを(それこそプロダクトの紹介よりも優先しているきらいがある)、毎回徹底してる。

プロダクトの魅力はもちろんのこと、「ブランド」としてとても秀逸だなと思う。おもしろさ、キャッチーさ、笑いのその奥に隠れる「知性」を感じるプレゼンテーション。

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最後に向かったのは、LVMHプライズのセミファイナリストたち。日本からは我らがトモくん、TOMO KOIZUMI(トモ コイズミ)

トモくんの記事はコチラ

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トモくんはついに今回ファイナリストに入ったの!
このまま行けるだけ突き進んでほしいな、見えない景色を見に行ってほしいと強く願ってる。
頑張れ、トモくん!

というわけでパリコレ日記その②はこんな感じ!
ではではまた次回、チャオチャオ!

REI SHITO

日本を代表するストリート・スタイル・フォトグラファー、ジャーナリスト。STYLEfromTOKYO主宰。
毎シーズン、世界各国のコレクション取材を行い、独自の審美眼で綴られる言葉と写真が人気を博している。ストリートスタイルの随一の目利きであり、「東京スタイル」の案内人。ストリートスタイルからランウェイまでファッションに対する幅広い知見から、企業のアドバイザー、商品プロデュース、ファッションセミナーなどジャンルを超えて活動の幅を広げている。
2020年4月中に、パリコレ会場付近で撮影したスナップをもとにファッションを語る無料オンラインセミナーを開催予定。

セミナー詳細:https://www.ifi.or.jp/news/?itemid=40&dispmid=525
Instagram: @reishito

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photos et vidéo et texte : REI SHITO

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