東京で食べるイタリア郷土料理。#06 【イタリア郷土料理】詰め物入りのショートパスタ。

Gourmet 2019.10.06

発売中の「フィガロジャポン」本誌11月号は、イタリア特集! それぞれが個性的な町や村がモザイクのように煌めく、イタリアの魅力がぎゅっと詰まった一冊です。オンラインでは、東京のイタリア料理店でいただける、イタリア10州の郷土料理をフィーチャー。ピエモンテ州からは、伝統料理である詰め物をしたショートパスタ「アニョロッティ ダル プリン」を紹介。

ピエモンテ州「アニョロッティ」

ダル バローネ(奥沢)

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「アニョロッティ ダル プリン」¥1,980。パスタ生地の薄さと中身とのバランスがおいしさの秘訣。小粒のラビオリが一皿に20個以上入っている。

世界最高級との誉れも高い白トリュフの名産地アルバを擁し、バローロやバルバレスコなどの上質な赤ワインの産地としても知られるピエモンテ州。300年以上も昔、サヴォイア家がトリノに首都を構えた際、持ち込んだフランスの宮廷料理がベースともいわれるだけに、当地の料理は、南の地方とは異なりバターなどの乳製品を料理に用いることが多い。また、“山の麓”の意味を持つ“ピエモンテ”の名のとおり、海がなく山に囲まれた土地柄、山の麓の農民料理もまた特徴のひとつだろう。

「ピエモンテの代表的な料理といえば、『バーニャカウダ』や、イタリア版おでんといった『ボッリートミスト』、牛の頬肉や腕を煮込む『ブラザート・アル・バローロ』など、シンプルで骨太な料理がおいしいですね。パスタではタヤリンが有名ですが、詰め物をしたショートパスタの『アニョロッティ ダル プリン』もピエモンテの名物料理です」とは、中川英樹シェフ。ピエモンテで13年、研鑽を積んだ実力派だ。

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サラダ風にアレンジした「能登 高農園の野菜いろいろ バーニャカウダソース」¥1,540

「アニョロッティの中身は、鶏、豚、牛の3種類。ひとつずつ指でつまんで作ります。この“つまむ”ことを、ピエモンテの方言でプリンと言うんですよ」と中川シェフ。バターとセージのシンプルなソースでいただくのが正統派なのだそうだ。

ほかにもDOP(イタリアの原産地名称保護制度)で認定されたチーズも多く、イタリア屈指の米の産地ヴェルチェッリも有するピエモンテでは、リゾットもよく食べられる一皿だ。ちなみにトリノはチョコレートでも有名。

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今年の7月にオープンしたばかりのニューフェイス。イタリアワインと本格的なピエモンテ料理を気軽に楽しめる、シックな大人のオステリアメニューは少数精鋭。

ダル バローネ
東京都世田谷区奥沢3-12-6 リン・アルボ奥沢103
Tel. 03-6421-9306
営)16:30〜18:15L.O.、18:30〜22:30L.O.(月、水〜金) 15:00〜17:15L.O.、17:30〜22:30L.O.(土) 15:00〜17:15L.O.、17:30〜21:00L.O.(日、祝)
※夕方の営業はアペリティーボタイム
休)火、隔週水曜日
www.facebook.com/dalbaronetokyo

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※この記事に記載している価格は、標準税率10%の税込価格です。

photos : YU NAKANIWA, texte : KEIKO MORIWAKI

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