東京で食べるフランス郷土料理。#05 浅草橋のアルザス郷土料理店で、現地さながらの味を。

Gourmet 2020.10.25

豊かな恵みをもたらす海と山を擁する、美食の国フランス。日本でも知られている名物料理から、味わったことのない逸品まで、フランスには地域ごとの個性あふれる郷土料理がある。旬の食材を用いて、代々受け継がれてきたそんな郷土料理の数々を、フランスの6つのエリアから紹介します。今回はフランス北東部に位置するグラン・テスト地方から、ドイツの食文化の影響を色濃く受けるアルザス地方の名物料理を紹介。

Grand Est
素朴でボリューム満点、ほっとする味わい。

ジョンティ(浅草橋)

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アルザス地方の郷土料理の代表格「シュークルート」¥2,000。ハーフポーション(¥1,200)や魚バージョンも用意。ザワークラウトの追加(100g¥500)も可能だ。

シュークルート、シュペッツレ、クグロフ……。まるでドイツ料理のようなメニューの数々が名物のアルザス地方。それも、北はドイツ、南はスイスに隣接するその立地を見れば、納得がいく。

フランス東北部、ライン川とヴォージュ山脈に挟まれた南北に長いアルザス地方は、歴史的にも文化的にもドイツの影響を色濃く受けてきた。また、内陸部に位置し、山に囲まれた土地柄、塩蔵などの保存食が多く、豚や羊など肉をよく食べる点も特徴のひとつ。乳酸発酵させたキャベツとベーコンやソーセージなどの肉類を煮込むシュークルートなどは、まさにその典型的な一品といえるだろう。

「アルザスの料理は素朴。田舎臭くてボリュームたっぷり。気取りがなく、どこかほっとする味わいが魅力ですね」。そう語るのは、富田裕之さん。浅草橋にオープンして11年、都内では珍しいアルザス地方の郷土料理店「ジョンティ」のオーナーソムリエだ。ワインをきっかけにアルザス地方に魅了された富田さん、ここでは、舌で覚えた現地の味を再現。前述のシュークルートにしても、ベーコン、ソーセージはもとより、シュークルートの主役でもあるザワークラウトそのものまで手作りしている。

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アルザス風ピッツァ「タルトフランベ」の「トラディショネル(自家製ベーコンとタマネギ)」¥1,200。ハーフは¥800。

手書きの黒板メニューを見れば、パスタで牛挽肉を渦巻き状に巻いた「フレッシュナッカ」や蒸したジャガイモを香味野菜入りのフレッシュチーズに付けて食べる「ビブレスカス」などアルザスならではの郷土料理が満載。近頃は、日本でもおなじみのアルザス版ピッツァ「タルトフランベ」にしても、自家製ベーコンとタマネギのトラデショナルなものから、キノコ、ニンニクなど5種類が揃う充実ぶりだ。

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「ベッコフ」¥2,200は、パン生地で鍋と蓋を固定して蒸し焼きに。

また、「シュークルート」同様アルザスを代表する一品といえば「ベッコフ」。“フランス風肉じゃが”ともいわれるように、牛、豚、羊などの肉をジャガイモやタマネギなどの野菜とともに白ワインで煮込んだもので、ここ「ジョンティ」では、豚、鶏、牛、羊の4種類を豪快にオーブンで蒸し焼きにしている。2〜3人で味わえるボリュームも、いかにも現地風。バリエーション豊かに揃うアルザスのワインとともに楽しみたい。

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オーナーソムリエの富田さんが料理に合わせて厳選したアルザスワインとともに楽しみたい。

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こちらは2階席。ギンガムチェックのクロスがノスタルジックな、心地よい空間。

ジョンティ
Gentil

東京都台東区浅草橋2-5-3
tel:03-5829-9971
営)11時30分~14時L.O.、18時~21時30分L.O.(月、火、木、金) 12時~14時30分L.O.、18時~21時L.O.(土、日、祝)
休)水、第3火曜
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業時間変更の可能性がございます。詳細はお問い合わせください。
http://b-gentil.com/sp

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photos : KAYOKO UEDA, texte : KEIKO MORIWAKI

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