病気にならずに年末・年始を乗り切る! 最適な食事の3つキーワードとは?
Lifestyle 2024.12.27
クリスマスも終わり、一気に年末ムードに! 一年を走り切って少し気が抜けていませんか? 風邪やインフルエンザをはじめ、冬に猛威を振るう感染症から身を守るためには、食事も大切。イギリスの免疫学者ティム・スペクターが自身のインスタグラムアカウントで投稿した3つのキーワードを伝授。これで年末・年始を乗り越えて。
photography: Lyndon Stratford / Getty Images
クローゼットにダウンとニットが戻ってきた。そして、いろんなウイルスたちも......。今年もまたティッシュの山に埋もれないようにするには、どうすれば良いのだろうか。ロンドン大学キングス・カレッジの遺伝免疫学教授、ティム・スペクターが、私たちの免疫システムを最大化し、冬の病気から私たちを守るのに役立つ食品について、インスタグラムの動画で詳細に解説する。
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超加工食品を避ける
近年、「第二の脳」とも呼ばれている「微生物叢(腸内フローラ)」が、私たちの心身の健康に対して大きな役割を持っていることが、明らかになってきた。そこで、栄養バランスの悪化とそれにともなう問題(体重増加、消化不良、気分の落ち込みなど)を避けるために、スペクターはまず、酸化や炎症の原因となる超加工食品を避け、極力自宅での手作りした食事を摂るよう勧めている。
「植物」と色どり
では、自宅で調理する皿には何を載せるべきか? ティム・スペクターは、さまざまな植物を摂取することを勧める。「週に、異なる30種類の植物を食べましょう」。「『アメリカン・ガット・プロジェクト』(註:2018年に1万人の米国人と英国人を対象に行われた、微生物叢に関する調査)を用いた調査では、口にする植物の多様性が高ければ高いほど、腸内細菌叢の多様性も高まることがわかっています」。
「植物」とは、フルーツや野菜だけでなく、植物由来の食べ物全般を指し、スペクターは、全粒穀物や豆類、種子、植物油やスパイス、ハーブなどを摂取することを提案している。
だが、こうした材料を使ってメニューを考えるのが難しいと感じる人もいるだろう。こうした人のためにスペクターがおすすめするのは、いろんな食品を入れようと気を使う代わりに、「虹」を食べるように、皿にできるだけ多くの「色」を乗せて食べること。
「野菜や果物の鮮やかな色はポリフェノールから来ています。色を変えることで、種類の異なる細菌の餌になり、その細菌があなたの健康を促進するのです」
免疫力を高める発酵食品
発酵食品もまた、我々の身体に有益な食品だ。微生物を使って食品を発酵させることで、糖などが分解され、我々の身体に不可欠なビタミンやミネラル、抗酸化物質が生成される。シュークルートやピクルス、ヨーグルト、オリーブ、チーズなどは、スペクターが毎日食べるべきだと勧める食品だ。「これらは微生物叢の多様性を高める、天然のプロバイオティクス(健康に良い菌)です」
とは言うものの、以前の記事で紹介したように、発酵食品の消化能力には個人差がある。まずは一日1〜3品、若いハードチーズ(エメンタールやコンテ、ミモレット)など発酵度の軽い乳製品から始めて、徐々に醤油やキムチ、味噌といった乳酸発酵食品、ニンジンやビーツのピクルスなどを試してみると良いだろう。
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text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa