銀座で新時代の職人仕事に触れる、和光 アーツアンドカルチャーへ。
Lifestyle 2025.08.29
和洋のスタイルや時代を超えて、美しいものが響き合う贅沢な空間――銀座の和光本店にお目見えしたアーツアンドカルチャーで、和のアールドゥヴィーヴルを体感して。
ものづくりの背景にある物語と、時を超えた美意識に出合う。
中央舞台の中心に設けられたのは6.1×5mの霧島杉の天板を組み合わせた「時計台」。針と同じく2枚が回転し、約2週間ごとに変わる展示内容によって異なる印象に。
和光本店に昨夏リニューアルオープンした地階アーツアンドカルチャーは、「時の舞台」というコンセプトのもと、職人の手仕事や最先端の技術を駆使したファッションアイテムなどを紹介する空間だ。もともと和光の地階売り場は、時代の一歩先をいく"新商品売り場"として機能してきた歴史がある。この思いを受け継ぐこちらでは、次の100年を見据えた新しい価値観や美意識を提案している。
「舞台と回廊」をテーマにした空間デザインは、杉本博司と榊田倫之が主宰する新素材研究所によるもの。フロアの中心、中央舞台を回廊が囲む構成で、回遊しながらさまざまな作り手の商品を手に取ることができる。
寺社の回廊に見られる敷瓦を陶板で再現した回廊が、中央舞台をぐるりと囲む構成。
六角形の陳列台と格子の照明が和洋折衷のムードを醸す。
中央舞台で目を引くのは、樹齢1000年を超える巨大な霧島杉で仕立てられた什器。和光のシンボルである時計塔と対をなすよう、2枚の天板を長針と短針に見立ててデザインされている。
そのほか、京町家で実際に使用されていた敷石や、サンゴや貝殻が堆積した琉球トラバーチン、伝統の作り手による唐紙など、時を重ねてなお美しい、日本らしい素材が随所にあしらわれ、「時の舞台」というコンセプトが浮き彫りになる趣向だ。
格子使いが美しい一角に贅沢なペルシャ絨毯が並ぶ。
京都・西陣の唐紙工房、かみ添が制作した唐紙は、江之浦測候所の化石窟にある化石コレクションの化石をモチーフに図案を起こしたもの。それを背景に、日本の鞣しの技術にフォーカスしたコーネリアンタウラスのレザー製品が整然と並ぶ。バッグ¥93,500~
そんな空間を彩るのは、ものづくりの背景に「時」を感じさせるプロダクトだ。普遍的な美を宿すCFCL、日本の歴史や文化をレザーで表現するコーネリアンタウラス......ショッピングを超え、作り手や商品の背景に出合う体験へ。アーツアンドカルチャーが提供するのは、プロダクトを介して作り手と消費者の美意識が繋がる場なのだ。
桜の花びらを思わせる色と文様が入った万成石(桜御影)を背景にした展示スペース。

Wako Arts and Culture
東京都中央区銀座4-5-11 和光 本店地階
03-3562-2111
営)11:00~19:00
休)年末年始
https://www.wako.co.jp/
*「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋
photography: Yasuyuki Takagi text: Ryoko Kuraishi