東京で食べるイタリア郷土料理。#07 【イタリア郷土料理】ミラノっ子の好物オッソブーコ。
Gourmet 2019.10.11
発売中の「フィガロジャポン」本誌11月号は、イタリア特集! それぞれが個性的な町や村がモザイクのように煌めく、イタリアの魅力がぎゅっと詰まった一冊です。オンラインでは、東京のイタリア料理店でいただける、イタリア10州の郷土料理をフィーチャー。ロンバルディア州からは、骨付きの仔牛スネ肉をじっくり煮込んだ「オッソブーコ」をご紹介。
ロンバルディア州「オッソブーコ」
トラットリア・ケ・パッキア(麻布十番)
仔牛の骨付きスネ肉を煮込んだミラノの郷土料理。その歴史は古く、中世にまで遡るそうだ。リゾットに使われるサフランは、世界一高級なスパイス。「オッソブーコ アラ ミラネーゼ 仔牛スネ肉の煮込み」¥5,280
ミラノコレクションが開催されるファッションの街、ミラノを州都に持つロンバルディア州。イタリア北西部に位置し、イタリアの商業中心地でもあるこの街には、イタリア各地の郷土料理や伝統料理が集まっている。また、独自の食文化を持つマントヴァ、淡水魚を使った料理が盛んなコモ湖周辺の北部地方などなど、エリアごとに変化のある多様性も特色のひとつだろう。
内陸部のため肉料理が多く、なかでもミラノ発祥のロンバルディアを代表する一皿といえば、やはり「オッソブーコ」、仔牛のスネ肉の煮込み。“osso”は骨、“buco”は穴の意味で、骨付きのまま仔牛のスネ肉を、香味野菜や白ワイン、ローリエ、トマトなどとともに煮込んだ、素朴にして味わい深い料理だ。
「オッソブーコにはリゾットミラネーゼ。これが定番。セットで食べるもので、いわばピアットウニコ(一皿盛り)、日本の丼みたいな感覚です」。こう熱く語るのは、麻布十番「トラットリア・ケ・パッキア」の岡村光晃シェフ。このリゾットのようにミラネーゼの名が付く料理には、サフランを用いて黄金色に仕上げる料理が多いのだとか。
「コトレッタ ア ラ ミラネーゼ」と呼ばれるこの仔牛のカツレツはミラノっ子の大好物。現地のそれは、かなりの大きさらしく、別名「ゾウの耳」とも呼ばれているそう。「仔牛カツレツミラノ風」¥3,080
ほろりと骨から外れるほどじっくりと煮込まれた仔牛肉は、毎日でも食べられそうなどこかホッとするおいしさだ。また、日本のカツレツに似た「仔牛カツレツミラノ風」も、ロンバルディアではおなじみの味。叩いて薄くした仔牛肉に、細かなパン粉をまぶし、バターもしくはオリーブオイルで揚げ焼きした一品だ。レモンを搾ってどうぞ。
北から南まで、イタリア各州の郷土料理がラインナップされたメニューが圧巻。ダイナミックな肉料理はもちろん、豊洲で仕入れる新鮮な魚料理にも定評あり。
東京都港区麻布十番2-5-1 マニヴィアビル4F
Tel. 03-6438-1185
営)18:00~翌1:00
休)日、祝日の月曜
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photos : KAYOKO UEDA, texte : KEIKO MORIWAKI