ひとつひとつ違う、繊細なガラスのうつわの魅力。
Paris 2025.08.25
コロナ禍をきっかけに、暮らしを見つめ直し、自分の手でものを作り出すことに目覚めた女性たち。永続性とクオリティを大切に、優しさとポエジーをたたえた手仕事の安らぎが、パリジェンヌの心をとらえている。
Ulysse Sauvage
ユリス·ソヴァージュ
アトリエで作業するマルゴ。手で回転させながらバーナーで熱を加えてグラスを成形してゆく。
儚い風情の吹きガラス。
ひとつひとつ微妙に姿の違う繊細なグラスやキャンドルスタンド。マルゴ・クルジョンが手がける吹きガラスは、軽く儚い独特の風情でファンを増やしている。パリから昨年ボルドーに移り住んだ30歳。パリとブリュッセルでアートを学び、ガラスの魅力を発見。実験室用のガラス器を作る企業で働いた後、手仕事がしたくて独立した。「ガラスという素材の透明感と脆さが好き」と言い、インスピレーション源は、花や水の雫などの自然のフォルム。これまで無色の作品を発信してきたが、最近、透明感のある"黒"を始めたところだという。「いまはテーブルウェアを作っていますが、これからはオーナメントや照明など、大きな作品にも挑戦したいと思っています」
彼女のグラスは理化学器具などに用いられるホウケイ酸ガラス。衝撃に強く軽い。
焦げ跡の残る木の作業台に道具が並ぶ。
ずんぐりした印象でも透明感が光る。飲み物を入れても、花を一輪挿しても映えそう。各45ユーロ
繊細な脚付きグラスは彼女の代表作。波打つ縁の表情やスタンドの形が微妙に違う。「Tulipe」各65ユーロ
Galerie Paradis
ギャルリ・パラディ〈フォーブール・サンドゥニ|10区〉
7, rue de Paradis 75010
06-76-25-03-90
Ⓜ︎GARE DE L'EST
営)11:00~19:00
無休
https://galerieparadis.fr/
Centre Commercial
サントル・コメルシアル〈サンマルタン|8区〉
2, rue de Marseille 75010
01-42-02-26-08
Ⓜ︎JACQUES BONSERGENT
営)11:00~20:00(月~土)、14:00~19:00(日)
無休
https://www.centrecommercial.cc/
*「フィガロジャポン」2025年5月号より抜粋
●1ユーロ=約156円(2025年3月現在)
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photography: Mari Shimmura editing: Momoko Suzuki