フェムテックと防災を考えるイベントが和歌山で開催。
Society & Business 2024.04.26
フェムテックと防災をテーマにしたイベント「わかる!助かる!フェムテック展 in 和歌山市」が4月12〜14日、イオンモール和歌山で開かれた。イベントを主催したのは、フィガロジャポンBWA Pitch Contest 2023のファイナリストでもある山上博子さんが代表を務める100(ワンダブルオー)と一般社団法人ワーカルラボ。BWAのコミュニティメンバーたちもサポートに駆けつけたイベントの様子をリポート!
和歌山でのフェムテック展を企画した山上博子さん(左)。BWA Pitch Contest 2023で山上さんと出会った本間麻衣さんもイベントに出展した。
女性の心身の健康課題をテクノロジーで解決するプロダクトやサービスを意味する「フェムテック」。東京をはじめ大都市ではさまざまなイベントが開かれているが、地方では、言葉を聞いたり製品に触れたりする機会が少ないのが現状だ。
そこで、乳がん検査を医療機関以外でも受けられる「次世代がん検査サービス(New generation Cancer Test, NCT)」のローンチを目指す100の山上博子さんが、仲間らとともに、今回初めてフェムテックイベントを企画。和歌山県は南海トラフ地震での被害が想定されていることもあり、非常時の女性の健康課題を考える展示やセミナーも行われた。
会場では「フェムテックをしっていますか?」と問うパネルアンケートも実施。協力した141人のうち知っていると回答したのは61人だった。
会場には、災害時に役立つフェムテック製品が体験できる展示・販売スペースのほか、女性の健康課題や働き方などについてのセミナーやワークショップスペースが設けられた。併設のイオンシネマでは、若年性乳がんをテーマにしたまつむらしんご監督による映画『あつい胸さわぎ』(2023年)も上映された。
展示スペースには、山上さんと同じくBWA Pitch Contest 2023に出場し、Professional Awardを受賞した本間麻衣さんも参加。災害時などの非常時にも活躍するレスキューランジェリーのブースを出展した。そのほか、デリケートゾーンを含めて全身を拭き取れるウェットワイプや、ゴミが出にくく初心者でも扱いやすい月経カップなど、防災バッグに加えておきたいグッズも並んだ。
ファンクションの本間麻衣さんが出展した「レスキューランジェリー」のブース。ランジェリーは、付属のバッグの中に少量の水と洗剤を入れればどこでも洗濯でき、メッシュネットがついたバッグの中で人目に晒すことなく下着を干すことができる。
デリケートゾーンスキンケアブランド「Mellow.(メロウドット)」は、ウォッシュやセラムほか、大判のウェットワイプも出品。「デリケートゾーンはもちろん、全身に使えるので防災バッグにひとつ入れておくと便利」という。
今春発売開始した月経カップ「murmo(マーモ)」。初心者でも使いやすい設計だという。
さらにセミナーには、「東広島市で女性向けの起業塾を開業したい」という思いを、BWA Pitch Contest 2023で発表した田村かすみさんも登壇。昨年のコンテストがきっかけで、今年東広島市の実家に「シェアオフィス来音-Kurune-」をオープンさせた田村さんは、地方で女性が活躍できる環境づくりは「居場所づくりとひとりひとりの声に耳を傾けること」が大切だと語った。
「これからも、各地域のニーズに寄り添いながら、フェムテック製品やサービスを実際に手に取ったり感じたりできる"手触り感"のあるイベントを開き、フェムテックをより身近に感じてもらいたい」と語る山上さん。フィガロジャポンBWAコミュニティのメンバーの各地での活動が、女性、そしてすべての人がより良く豊かに生きる土壌を耕している。
山上博子さんや本間麻衣さん、田村かすみさんが出場したBWA Pitch Contest が今年も開催予定。日々の暮らし、社会を良くする事業に取り組む、またはビジネスアイデアを持つ女性を募集しています。詳しくは以下、「詳細を見る」からチェックして。
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photography: Yumeka Hiraguchi