フランス男性の37%がフェミニズムに「脅威を感じる」と回答。割合上昇の理由は若い世代?

Society & Business 2024.08.22

フランスの女男平等高等評議会(HCE)が今年初めに発表した、フランスの性差別の現状についての年次報告書。憂慮すべき結果の中に、ひとつ気になる数字があるーー「37%」。フランス男性の37%が、フェミニズムに脅かされていると感じていると回答したのだ。

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国際女性デーの3/8に行われたデモでプラカードを掲げる女性。(2020年3月8日、パリ) photography: shutterstock

フランス全国性差別反対記念日の数日前の1月22日、フランス女男平等高等評議会(HCE、女性の権利と平等に関する公論をリードし、政府に助言を行う独立諮問機関)が年次報告書を発表した。『性差別の根源に取り組む』と題した同報告書には憂慮すべき数字が見出される。

質問を受けた女性のうち37%が、最低でも1回は「同意のない状況にさらされた」と答え、25~34歳の男性の28%が「男性のほうがより経営者に適している」と考え、10人中9人の女性が性差別的な状況を個人的に経験した、と報告した。しかし、このような恐ろしいデータとは裏腹に、ある数字が目を引いた。37%の男性が、フェミニズムは社会の中での自分の立場を脅かすものだと考えているとのことだ。それも、どの年齢層でも、だ。

1年で3%上昇

この気がかりな数字は1年で3%も上昇した。25~34歳の若い世代がその上昇の理由となっている。「社会において女性に寄り添った意見が増せば増すほど、それに対する抵抗も強まる。男性優位主義的な思想や態度は特に若い男性に定着しつつあり、家庭にまつわる物事を女性に任せる傾向は再度広がりを見せている」とHCEは指摘した。

HCEによれば家庭、学校そしてインターネットが「性差別が続き、若い男性においては悪化すらしている」3つの要因だという。実際、同評議会はTikTokの#TradWife(伝統的な妻)や #StayAtHomeGirlfriend(専業"主婦"ならぬ専業"ガールフレンド")など、仕事を持たず、子どもの世話をする完璧な専業主婦を演じる女性のトレンドが流行りつつあるのを憂慮している。かなり深刻な状況だ。

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Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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