社会課題に取り組む6人の女性起業家が思いを伝える、「フィガロジャポンBWAピッチコンテスト2025」をリポート!
Society & Business 2025.07.16
フィガロジャポンが働く女性を応援するBusiness with Attitude(BWA)が7月11日、「BWAピッチコンテスト2025」を開催。さまざまな社会課題を解決するためのビジネスが紹介されました。
>フィガロジャポンが美しく豊かに働く女性を応援するプロジェクト「Business with Attitude」とは?
起業を通じてより良い社会を目指す女性のためのビジネスコンテスト「フィガロジャポンBWAピッチコンテスト2025」が7月11日、東京ミッドタウン八重洲のポットラック ヤエスで開かれた。「思いを言葉に。アイデアを形に。」をテーマに、ビジネスを通して、社会をより良い方向に導きたいという女性起業家、もしくはこれから起業を考えている女性を対象にしたビジネスコンテストだ。
過去には、このピッチコンテストに出場し、それまで家族にも伝えてなかった「地域の女性がキャリアを諦めずに起業できるよう、実家の呉服店をシェアオフィスにしたい」という想いを発表し、その言葉通り今年8月にシェアオフィス来音(くるね)を東広島市にグランドオープンするファイナリストもいる。2023年に参加した田村かすみだ。まさにBWAピッチコンテストのテーマを体現している。
4回目の今年は全国から過去最多の約160件の応募があり、BWA事務局による選考を通過した6組のファイナリストが登壇。社会の課題解決に繫がり、今後の事業性の広がりが期待できるビジネスに贈られるプロフェッショナルアワード、自分の経験や思いを生かし、新たな社会課題の提起に繋がるビジネスアイデアに贈られるドリームアワード、そして観覧者と視聴者が投票で応援したいビジネスを選ぶオーディエンスアワードの3つのアワードをかけて、それぞれ5分間のピッチを行った。
後列左から、BWA事務局長の藤本淑子(フィガロジャポン編集部)、審査員の工藤七子(一般財団法人 社会変革推進財団(SIIF)常務理事)、阿座上陽平(ゼブラアンドカンパニー共同創業者)、浜田敬子(ジャーナリスト)、古川詩野(エクラアドバイザーズ代表)、山野千枝(一般社団法人 ベンチャー型事業承継代表理事)、五十嵐あき(madameFIGARO.jp編集長)。前列左から、ファイナリストのリヴィア清水夏子(Craftmanship)、爪長季美(EUMIS)、プロフェッショナルアワードを受賞した大桃綾子(Dialogue for Everyone)、オーディエンスアワードを受賞した上仮屋遥(MIMOSAPORT)、西崎実穂(PawsRelief)。ドリームアワードは現役消防官の水野裕子が受賞した。photography: Aya Kawachi
防災を楽しく学び意識を高めるプログラム、ペット版デジタル母子手帳の開発、病気や障がいがある人への外出支援、100%ヴィーガンレザーの開発と地域経済との循環、50代からのインターンシッププログラムの提供、着物のシェアリングと伝統文化の継承など、ファイナリストたちはそれぞれのキャリアの中で見つけた課題が社会の課題であることに気付き、それを解決するためのビジネスアイデアを語った。会場には事前抽選で選ばれた観覧者ら約90人が集まり、ファイナリストたちの熱い思いに聞き入った。
すべてのファイナリストが発表を終えると、審査員団が別室にてプロフェッショナルアワードとドリームアワードの審査を開始。会場の観覧者、YouTubeライブ視聴者も「応援したい」と思ったファイナリストをひとり選んで投票した。結果は以下のとおり。
---fadeinpager---
■プロフェッショナルアワード
受賞者:大桃綾子(Dialogue for Everyone)
プロフェッショナルアワードを受賞したDialogue for Everyoneの大桃綾子。photography: Aya Kawachi
50代会社員と地方企業を結ぶ越境学習を開発・展開。人手不足の業界への人材流動化も目指す。「こうあるべき」にとらわれず何歳になってもチャレンジできる仕組みづくりは若い世代への希望にも繋がることを評価された。
■ドリームアワード
受賞者:水野裕子
現役消防士として活躍中。女性や子どもの目線に立ち、遊びながら防災を学び意識を高める「BOUSAI」コンテンツの具現化を目指す水野裕子が受賞。思いの強さを感じ、社会課題解決に繋がりそうなクリエイティブなビジネスに贈られるアワードとして選出。
■オーディエンスアワード
受賞者:上仮屋遥(MIMOSAPORT)
オーディエンスアワードを受賞したMIMOSAPORTの上仮屋遥。photography: Aya Kawachi
病気や障がいを持つ人々が、安心安全に外出できるよう医療従事者付き添いサポート事業を行っているMIMOSAPORTの上仮屋遥が受賞。BWAファンが「応援したい」と思うビジネスを選出するアワードで、会場の観覧者からの投票に、You Tube視聴者からの投票も加味された。
受賞者には、英国王室御用達のステーショナリー&レザーブランドとして知られるスマイソンより「Dream And Thoughts」の刻印が表紙に施されたノートが送られた。写真はプロフェッショナルアワードを受賞した大桃綾子とmadameFigaro.jp編集長の五十嵐あき。photography: Aya Kawachi
特別セッションでは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がチーフ・サステナビリティ・オフィサーの南里彩子が、2024年からスタートした「Japan Inclusive Ventures Lab(JIVL)」の取り組みを紹介。創業初期から世界市場をターゲットにする女性や多様なバックグラウンドを持つ起業家を支援する伴走プログラムで、日本におけるグローバルなスタートアップエコシステムの構築、経済社会における構造改革やESG課題の解決の実践、そして日本の持続的成長に貢献することを目指す。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ・サステナビリティ・オフィサーの南里彩子。photography: Aya Kawachi
イベント終了後の懇親会では、モエ ヘネシー ディアジオよりヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュットが、都光よりノンアルコール スパークリングワインのヴィンテンス スパークリング プレステージ ブラン・ド・ブラン、ヴィンテンス スパークリング プレステージ ロゼが提供された。photography: Aya Kawachi
---fadeinpager---
ピッチコンテスト当日まで、ファイナリストへ数々のサポートを提供。
書類選考通過の通知からピッチコンテスト本番までの約1カ月間、本番に向けて準備を進めるファイナリストに対して、BWAに関わるコミュニティメンバーからさまざまなプログラムが提供された。
一般社団法人 日本女性起業家支援協会の近藤洋子は、ファイナリストに対して理解だけでなく「共感」が得られるプレゼンテーション方法をサポート。ウイルパートナーズの辺見香織は、ピッチコンテスト応募者に企画書の書き方を講義した。
またスタイリングサポートプログラムとして、BWAアワード2023を受賞した市原明日香が代表を務めるブランド、SOÉJUがパーソナルスタイリングサービスを提供。さらにメイクアップサポートプログラムとして、BWAピッチコンテスト2023に出場しオーディエンスアワードを受賞したチームアスリートビューティーが事前のメイクプログラムと本番のタッチアップを実施。本番のタッチアップではいまを生きる大人の女性たちを応援するSUQQUのアイテムが提供された。
いずれも「フィガロジャポンBWAピッチコンテスト」ならではの取り組みだ。
ピッチコンテスト当日は、チームアスリートビューティーの花田真寿美(写真左)と鈴木さやかがファイナリストをタッチアップ。photography: Aya Kawachi
いまを生きる大人の女性たちを応援するSUQQUのメイクアップアイテムが提供された。photography: Aya Kawachi
詳しいイベントの様子、受賞者の事業の物語は2025年8月20日発売「フィガロジャポン10月号」およびmadameFIGARO.jp、BWA特設サイトでも紹介予定。お楽しみに!
BWAピッチコンテスト2025ファイナリスト:
上仮屋遥(MIMOSAPORT)
大桃綾子(Dialogue for Everyone)
清水リヴィア夏子(クラフトマンシップ)
爪長季美(EUMIS)
西崎実穂(パウズ・リリーフ)
水野裕子
BWAピッチコンテスト2025審査員:
特別審査員 浜田敬子(ジャーナリスト)
阿座上陽平(ゼブラアンドカンパニー共同創業者)
工藤七子(一般財団法人 社会変革推進財団(SIIF)常務理事)
山野千枝 (一般社団法人 ベンチャー型事業承継代表理事)
古川詩野(エクラアドバイザーズ代表)
五十嵐あき(madameFIGARO.jp編集長)
2021年に始まった「フィガロジャポンBusiness with Attitude(BWA)」は、従来の「こうあるべき」にとらわれず、新しい時代に、自分の美学や価値観を大切に、楽しみながら働き、周囲の人や社会に良いインパクトを与える「美しく豊かな働き方」を実践する女性たちのコミュニティを築いている。フィガロジャポン本誌、ウェブサイト、オンライン・オフラインイベントを横断しながら、さまざまなコンテンツを創出している。詳しくは特設サイトや公式Xをチェックして。