優しいSNS投稿でケニアの女子生徒を支援する、「#やさしさアクション」が始動。
Society & Business 2025.09.05
国際チャリティー・デー(9月5日)から国際ガールズ・デー(10月11日)までの約1カ月間、SNS投稿を通じてケニアの女子生徒を応援できるキャンペーン「#やさしさアクション」がスタート。投稿1件につき1パックの生理用品が届けられる仕組みで、小さな「やさしさ」が遠く離れた少女たちの学ぶ権利と未来を守る。
「たった1ドルの生理用品が買えない」
そんな理由で学校に通えず、進学や就業の機会を失う女子生徒がケニアには数多くいる。2018年にナイロビ・キベラスラムで行われた調査(対象110名)では、女子生徒の約9割が生理期間中に欠席を余儀なくされている実態が明らかになった。毎月の欠席が成績低下に繋がり、進学の機会を奪い、将来の選択肢を閉ざしてしまう。
こうした課題に取り組んできたのが、BWAピッチコンテスト2022のファイナリストの坂田ミギーが代表をつとめる特定非営利活動法人シフトエイティ(SHIFT80)だ。現地の学校やクリニックと連携し、これまでに累計131万枚の生理用ナプキンを8,000人以上に届け、女子生徒の欠席を年間36日削減する成果を生み出してきた。その活動をさらに広げる新たな試みが「#やさしさアクション」だ。
協賛企業の支援により、ハッシュタグを付けてSNSに投稿するだけで、生理用ナプキン1パック(10枚入り)がケニアの女子生徒に届けられる。投稿の上限は3,000件(30,000枚)。誰もが気軽に参加できるこの仕組みは、日常から国際課題に関わる一歩を後押しする。
キャンペーンの背景には、日本の寄付行動の低さもある。「World Giving Index 2024」によれば、日本は142か国中141位と極めて低い水準。寄付・ボランティア・助け合いのいずれの指標も国際平均を大きく下回っている。
シフトエイティは「SNS投稿」という身近な行動を通じて、日本社会に寄付文化を根付かせるきっかけにしたい考えだ。
「わずかでも持ちうるものを分かち合う行動が、大きな変化を起こせると信じています」と語るのは代表理事の坂田ミギー氏。
ケニアの女子生徒にとって、それは「生理の期間も学校に通える一日」に繋がる。
小さなやさしさの輪が、次のやさしさを呼び、静かに広がっていく。SNSに投稿するシンプルな行動から、少女たちの未来を支えるアクションが始まっている。
https://shift80.org/action/
photographies: courtesy of SHIFT80 text: Ayumi Yasuda(Routusworks)