update:2024/05/29
パレ・ロワイヤル、パリ装飾美術館から遠くない位置にある。photo:Virginie Garnier
地方出身のにわかパリジェンヌではなく、親の代から生まれも育ちもパリ!というパリジェンヌたちが愛するカフェVerlet(ヴェルレ)。この店を好き、と語る時、彼女たちの誰もが"流行りの店じゃないけれど"と枕詞をつけるのがおもしろい。確かに、いちどこの店を知ると、こちらもつい同じように"流行りの店じゃないけれど"と、誰かに紹介したくなる店である。
サントノーレ通り256番地のヴェルレでは店先にコーヒー豆を詰めた麻袋が並び、店に入るとぷーんとカフェの芳香に包まれる。創業1880年から現在にいたるまで珍しい産地のコーヒー豆を輸入し続け、現在30種を販売。1990年からはお茶も扱っていて、こちらは40種類とか。果物の砂糖漬け、スパイス類でも有名なヴェルレ。1921年に商船の船乗りオーギュスト・ヴェルレが店を継いだ際に、カフェを味わうだけでなく、いまのように本格的に食事や甘味もとれるカフェが開かれた。
1920年代調の内装が、まるで時間が止まったような静けさを感じさせる店内で、小さな木のテーブルに座っておいしい時間を過ごしてみよう。朝食(9時〜15時)、ランチ(12時〜15時)、スイーツに分かれたメニューはなかなかの充実ぶり。小腹を満たすのが好きで、甘いもの好きの日本女性にはたまらなく魅力的で通いたくなるカフェだろう。
たとえば、朝食メニューはクラシックなヴィエノワズリー&飲み物に始まり、フレンチトースト、フルーツサラダ、卵料理も。ランチはスープ、サラダ、クロックムッシュー&マダム、温野菜とアボカド......そしてスイーツのメニューはというと、5区の人気パティシエ、カルル・マルレッティのお菓子、ドーヴィル発のアイスクリーム店マルティーヌ・ランベール、ホームメイドのゴーフルなど、どれもこれも試してみたくなる魅惑のオンパレードだ。
さて、ここはパリ最古の自家焙煎カフェの店である。カフェを寛いで味わうためだけにでも訪れたい。1年前から、ちょっと珍しいカフェがメニューに。フランス式カフェの"カフティエール・デュ・ベロワ"(2杯/8ユーロ)だ。これは1800年から使われている陶製フィルターのコーヒーポットを使用し、待つこと15分。紙フィルターと違い味が損なわれることなしにドリップされた、味わい豊かなカフェがサービスされる。
店内左手のスペースでは、ビスケットや蜂蜜なども販売。photo:Virginie Garnier
通りに面したウィンドウに並ぶフルーツの砂糖漬け。カフェでも盛り合わせを味わえる(5.90ユーロ/12.90ユーロ)。photo:Virginie Garnier
オーギュルト・ヴェルレが旅の思い出をもとにクリエイトしたオート・メール、グランド・パヴォワといったミックスは今も購入可能。photo:Virginie Garnier
1階席。
半円の窓が印象的な2階席。photo:Virginie Garnier
ボイルドエッグと細切りトースト。5.50ユーロ。photo:Virginie Garnier
クロックムッシュー(12.90ユーロ)。卵をのせたマダムもあり。photo:Virginie Garnier
ゴーフル(8ユーロ)。シャンティクリーム、チョコレートソース、キャラメライズ・アップルのいずれかを選ぶ。photo:Virginie Garnier
カルル・マルレッティから届くパティスリー(8.50ユーロ)。photo:Virginie Garnier
右後方が、カフティエール・デュ・ベロワに使われるコーヒーポット。ポットは店で販売もしている(2杯用は97ユーロ。4杯用もあり)。
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INFORMATION
Verletヴェルレ<1区>
256, rue Saint-Honoré 75001
01・42・60・67・39
PALAIS-ROYAL-MUSÉE DU
10時〜19時 休)日
réalisation:MARIKO OMURA
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