update:2024/05/29
1766年の建築物。 Photo:Matthieu Salvaing
セーヌ左岸、川に面して立つレストランLapérouse(ラペルーズ)。小部屋が複数あり、その昔は男性たちがココット(高級娼婦)をはじめ、妻以外の女性を連れて人目を避けて食事に来た場所だ。1766年が創業で1840年に買いとったラペルーズが自分の名を冠した。ミシュランガイドで1933年に三ツ星を獲得している美食の店でもあり、ゾラ、モーパッサン、ボードレール、プルーストなど作家たち、それに芸術家や政治家......通ったセレブリティも多数。20世紀後半はモード界の人々にも人気となり、ジョン・ガリアーノ、ケイト・モスといった名前が挙がる。最近ではウディ・アレンが『ミッドナイト・イン・パリ』の撮影に使ったことでも知られている。
1年半前に夜の世界の帝王と呼ばれるバンジャマン・パトゥが新しくオーナーとなり、18世紀の個人邸宅だった建物の素晴らしさをいまに再び蘇らせるべく大改装を行った。インテリアデザインを任されたのはローラ・ゴンザレスだ。シックでエレガント、贅沢な内装。歴史と秘密を込めた10の個室は、どこか頽廃を感じさせるロマンティックな小空間となっている。さらにテーブルコーディネートはディオール メゾンのクリエイティブディレクターを務めるコーデリア・ドゥ・カステラーヌが担当。そして料理はアピシウスのジャン=ピエール・ヴィガトに、パティスリーはクリストフ・ミシャラクに任された。悦びの家と謳うラペルーズ。パリだからこそ存在する、そんなレストランゆえに一度は好奇心を満たしに食事に行ってみたい。
小部屋をつなぐ廊下もこってりとした内装だ。Photo:Matthieu Salvaing
バー。Photo:Matthieu Salvaing
サロン・シノワ。その名に違わず中国風インテリアだ。 Photo:Matthieu Salvaing
サロン・キャトル・セゾン。Photo:Matthieu Salvaing
サロン・ベル・オテロ。Photo:Matthieu Salvaing
お皿の中央にLのイニシャル。Photo:Matthieu Salvaging
テーブルコーディネートを任されたコーデリア・ドゥ・カステラーヌ。Photo:Matthieu Salvaing
星付きシェフのジャン=ピーエル・ヴィガトが料理を担当。Photo:Matthieu Salvaing
前菜28ユーロ~、魚料理42ユーロ~、肉料理44ユーロ~。Photo:Matthieu Salvaing
クリストフ・ミシャラクによるデザート。Photo:Matthieu Salvaing
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INFORMATION
Lapérouseラペルーズ<6区>
51, quai des Augustins 75006
01・43・26・68・04
ODEON, PONT NEUF
19時30〜22時30分 休)日
réalisation:MARIKO OMURA
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