in PARISFRANCE

  • EAT・FRENCH

7区のジャイス 、また食事したくなる貴重なレストラン。

Jaïsジャイス<7区>

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シェフのジャイス・ミムーン。モロッコ人の母はパリでレストランLe Tagineを経営していて、彼は料理の世界に生まれたといえる。photo:Mary Erhardy

いったいパリには何軒のレストランがあるのだろう。その数え切れない中で、食後に“ここにまた来たい!”と思わせるレストラン、“誰かに教えてあげたい!”となるレストランはどれくらいあるのだろうか。

そんな一軒に7区シュルクフ通りのJaïs(ジャイス)がある。ビストロとガストロノミーを掛け合わせたビストロノミーという造語は料理界でひとつのジャンルとして浸透し、ゆえに乱用されがちなこの頃だが、このジャイスは正真正銘のビストロノミー。オテル・ブリストルでスターシェフ、エリック・フレッションのもとで4年の経験があるシェフのジャイス・ミムーンは、ティエリー・ブルトンやイヴ・カンドゥボルドといったパリの大御所ビストロノームたちの中の末っ子的存在である。

2016年にそのジャイスとヤニスが兄弟ふたりで乗り出した冒険が、レストランのジャイス。その4年前にふたりが開いたル・プティ・セレスタンはビストロだが、こちらジャイスはビストロノミーである。ヤニスによるアールデコ調の内装は、シックすぎず快適な食空間。そこに登場するのは、上質の素材を下ごしらえの時間をかけた正統フランス料理だが、少しばかり地中海の影響があって軽い。そしてビストロノミーながら、価格はリーズナブル!

オープン以来、人気の料理があるという。それはパイ皮包みのパテ(17ユーロ)、そしてフォアグラとトリュフのマカロニ・ファルシ(23ユーロ)の前菜2品。どちらもフォアグラが使われている。この自家製フォアグラの味のファンがいて、クリスマスの時期はフォアグラの販売をしたほど。これは24時間ポルト酒とコニャック、そして塩の花でマリネした後に、チキンブイヨンの中で低温調理といった手間暇かけた味わい深いフォアグラなのだ。ぜひ、前菜はこの特製フォアグラを味わうチャンスとなるパイ包みパテかマカロニ・ファルシを! もっとも、魚のセヴィーチェやタコのローストにも心そそられるかもしれない。

メインはホタテ貝、リ・ド・ヴォー、舌平目のムニエル……そして季節の野菜の盛り合わせも用意されている。デザートはパリ・ブレスト、プロフィトロールといったブラッスリーの定番に加え、蜂蜜のアイスクリームを添えたマドレーヌやパリのブルジョワ家庭の日曜のデザートといえるノルウェー風オムレツ(スポンジ、バニラアイス、メレンゲ)も。

オープンキッチンなので、席によってはシェフとスタッフの働く姿を眺められる。ジャイスはまたここに来ようという気にさせるし、誰かに話したくなるおいしく快適な食事体験ができ、それを耳にした人が自身の体験を誰かに話し……という、パリに数ある中でも貴重なレストランなのだ。食事時間はランチが12時〜14時30分、ディナーが19時〜22時30分。それ以外の時間帯はカウンター席でカフェがオーダーでき、また18時からは食前酒とシャルキュトリーの盛り合わせという楽しみ方を提案している。

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上品なブルーの外観が目印のレストラン。春が待ち遠しくなるテラス席。

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1階席。界隈のオフィスからの客が多いせいか、ランチタイムは男性が目立つ。パンはティエリー・ブルトン。

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パイ皮包みのパテ。フォアグラを煮込んだチキンプイヨンをジュレにしてパテに使用している。

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魚のセヴィーチェ。紫キャベツがまるでモロッコのパラの花のよう。

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人気のメインのひとつは、ブッフ・ブルギニヨン風の牛の頬肉(29ユーロ)。photo:Nicolas Buisson

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メインより。ホタテ貝とトリュフのダミエ仕立て。photo:Nicolas Buisson

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熱々の容器入りで登場するマドレーヌ(12ユーロ)。photo:Nicolas Buisson

INFORMATION

Jaïsジャイス<7区>

3, rue Surcouf 75007

01・45・51・98・16

INVALIDES

8時〜15時(月)、8時〜24時(火、水、木、金)、16時〜24時(土) 休)月ディナー、日

www.le-jais.fr/ja/

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CREDIT

réalisation:MARIKO OMURA

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