ニッポンの小さな旅へ 古くて新しい、ものづくりの土地・大分と出合う。

Travel 2020.12.25

大分

- OITA -

その昔、豊国と呼ばれた大分県には、その名のとおり、奇跡のように神々しく豊かな自然が息づいている。たとえば「日本一の清流」の誉高い大野川。温泉が絶え間なく湧き出る源泉の数は日本一を誇り、太平洋の黒潮に瀬戸内海がぶつかり合う豊後水道には、本来、回遊魚であるはずのアジやサバがすみ着いている。多彩な気候が風土を育み、少し移動するだけで人の気質も産物も郷土の味覚もまったく異なるのだ。

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大分県で唯一、温泉のないエリア、豊後大野には奥岳川の流れを利用した河川プールがある。奥に見えるのはカフェ パラム

ロングライフデザインの宝庫。

パッチワークのように地域ごとに異なる風土は、その土地ならではのロングライフデザインを生み出した。第12代景行天皇の時代にまで遡るといわれる別府の竹細工は、この地で育った良質な真竹を使った日用品で、別府を訪れる湯治客の土産物として、はたまた高度な編みの技術を駆使した伝統工芸品として名を馳せていった。その他にも国東半島に育ち、江戸時代には杵築藩などの経済を支えた七島藺、湯布院が拠点のつくり手、時松辰夫が提唱した、地元の雑木を生かした木工文化……。そうした文化に惹かれた現代の作家たちも、この地で精力的な創作活動に勤しんでいる。最近では他県に先駆けて地方銀行が街おこしに取り組んでいて、小規模な産業やインディペンデントなつくり手、若手作家のクリエイティビティを積極的に発信している。

大分各地を訪れて、古くて新しい、真摯な手仕事を探そう。

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ふたつの坂に挟まれた城下町の杵築。

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夕暮れが美しい大分市内のかんたん港。

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国東半島の北東端、ノスタルジックなムードの向田海水浴場。

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●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。

*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋

photos : YASUO YAMAGUCHI, réalisation : RYOKO KURAISHI, collaboration : KENTARO KOUNO (snld.jp), SHINSAKU MUTO

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