『ミス ディオール展覧会 ある女性の物語』の見どころ紹介!
Beauty 2024.06.27
入場してすぐに目にするのは、1947年の誕生時から現在までのミス ディオールの歴史を辿るピンク色のウォール。
ひとつのフレグランスから、展覧会を開催するという非常にユニークな試み。現在開催中の『ミス ディオール展覧会 ある女性の物語』で見せるのは、1947年のメゾン設立と同時に誕生した永遠の名香「ミス ディオール」にまつわるアーカイブコレクションやオートクチュールのドレス、アーティストたちの作品の数々。数あるラグジュアリーメゾンの中でも多くのヘリテージを有するメゾンだからこそ花開いた展覧会といえるだろう。
「300近いオブジェが提示されています。香水の瓶、オートクチュール ドレス、クリスチャン・ディオールの私物など貴重なアーカイブに加え、アーティストによる作品も展示されており、とても内容の濃い展覧会です」と語るのはパルファン・クリスチャン・ディオールのブランド ヘリテージ&パトリモニー ディレクターを務めるフレデリック・ブードゥリエ。
ミニチュアでドレスを再現。デザイン画とともに展示されており、メゾンへの理解を深めてくれる。
会場に足を踏み入れると、意趣の異なる空間が続くユニークな体験に誰もが圧倒される。壁一面に刺繍が施されたドーム空間、幾重ものチュールに包まれながら花々の香りを体験できる空間、クチュール ボウが出迎えるコリドー、ナタリー・ポートマンがCMで着用したオートクチュールドレスとアートが対話する空間......。
空間デザインは、2022年から23年にかけて開催され大きな話題となった『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展に続き、建築家の重松象平が担当した。香水という小さな世界をスペクタクルな空間へとデザインした。
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アート作品とドレスを相互的に展示したユニークな空間。曲がりくねったルートを散策するように見学できる。
「彼は現代的なデザインに長けていると同時に、歴史やヘリテージへの理解が深く、非常にオリジナリティあふれるデザインへ落とし込む才能に優れています。たとえば、展示したいオブジェのリストを見せたところ、エントランスのフレスコや空に浮かぶ雲のような展示アイデアを提案してくれました。重松象平の魔法にかかり、展覧会全体が非常にクリエイティブな空間となりました。彼は建築家ですがアーティストでもあり、夢想家でもあるのだと思います」
花ごとに香りを体感できる展示空間はコクーンのよう。マルク・ボアンの時代のルックを展示したスペースは、今回の展覧会のポスターにも使用された、当時のMISS DIORロゴが一面に配されている。
ディオールは10年以上前から女性のアーティストとコラボレーションを重ねていて、油絵、オブジェ、写真など豊富なアート作品を所蔵。本展示にあたっては新鋭アーティスト・江上越が新たに油絵を製作した。
「ミス ディオールを介した対話を通じて、アーティストとメゾンの双方が豊かになることは重要なこと。1928年から32年までギャラリストだったクリスチャン・ディオールの、芸術を大切にするスピリットが現代にも受け継がれています」
クリスチャン・ディオールと親交が深かったルネ・グリュオーと、ニューヨークを拠点に活躍するスウェーデン出身のイラストレーターマッツ・グスタフソンのイラストが対に展示される。
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「ある女性の物語」と題されているとおり、ふたりの女性が本展のメインの柱となっているという。ひとりはクリスチャン・ディオールの妹であり、ミス ディオールの香水が生まれたインスピレーション源であるカトリーヌ・ディオール。もうひとりは、フランス人ビジュアルアーティストでマリア・グラツィア・キウリと21年からショーでコラボレーションをしているエヴァ・ジョスパン。ただ、このふたりに限らず、ミス ディオールが象徴するすべての女性がテーマになっている。クリスチャン・ディオールが抱いていた夢や、それがもたらす喜びなど、さまざまなストーリーが展覧会のコンセプトになっている。
エヴァ・ジョスパンによる美しい刺繍が施されるミス ディオール パルファン限定エディション。
フレデリック・ブードゥリエはこう付け加えた。
「香りと同じで、この展覧会もまた"感情"や"五感"で味わっていただくといいと思います。自分の心が動かされたものに集中して、感動を全身で味わってください。鑑賞後に、瞳の中にキラキラと星が輝くような驚きや喜び、幸福感を持ち帰っていただけるとうれしいです。それはまさに戦後、クリスチャン・ディオールがビューティやファッションを通して叶えたかった夢なのですから」
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ミス ディオール展覧会、もうひとつの楽しみ方!
「五感で楽しむ」のは、展示スペースだけではない! 香水ミスディオールの成り立ち、さまざまなアーカイブ、そして、ファッションと交差するフレグランスの歴史、現代アーティストとのインタラクティブな展示空間を堪能した後は、ミュージアムブティックへ足を運んで。
ブティックでは、ディオールのヘリテージに関する書物や写真集、ミス ディオールのフレグランスアイテムはもちろん、メイクアップ&スキンケア商品も購入可能(現金不可)。
ここで体感したミス ディオールの世界観を手にし、記憶に留めたい人はぜひ!
そして、展覧会を訪れた人しか入れない、ミス ディオール カフェも登場。ピエール・エルメ・パリとコラボしたオリジナルマカロンや、芳しい香りを纏った見目麗しいシグニチャーデザートプレート、スペシャルドリンクもラインナップ。美しいピンクカラーのグルメは、味覚まで楽しませてくれる。
『ミス ディオール展覧会 ある女性の物語』
期間:開催中 ~ 2024年7月15日(月・祝)
会場:六本木ミュージアム 東京都港区六本木5-6-20
入場無料 完全予約制。
予約URL:http://on.dior.com/24md
※会期・開場時間等が変更となる場合がございます。詳細は公式特設サイトをご覧ください。 ※会場でのお支払いは各種クレジットカード、電子マネー、QR決済をご利用いただけます。現金支払いはできませんので、予めご了承ください。本イベントの予約・入場・会場内での製品購入には、スマートフォンからディオール ビューティー公式LINEアカウントへの友達加が必要。
※平日10:00~17:00の来場者へは、ピエール・エルメ・パリとのコラボレーションスイーツやマカロンボックス、展覧会限定シグネチャードリンクを抽選で差し上げます。
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モンテーニュ通り30番地、ディオールの夢の城を訪ねて。
text: Naho Sasaki photography: Suten Hiramoto, Daici Ano