映画『Page30』が映す、女優たちの条理と本質。
Culture 2025.04.10
堤幸彦と中村正人。映像と音楽、それぞれ最前線で長く活躍するふたりが初タッグ。渋谷に新たな劇場を立ち上げ、こけら落としとして映画『Page30』をリリースした。出演する4人のインタビューを通し見えてきた女優の本質、演じることとは。
「全部さらけださないと挑めない現場でした」
唐田えりか
平野琴李を演じた唐田えりかは参加理由をこう語る。「皆、役と自分がどこかリンクしていて、堤さんが台詞を通してそれぞれが抱えているドロッとした感情を引き出そうとしているのがわかるんです。堤さんはさまざまなチャレンジをされ、企画を誰よりも楽しんでいた。私も、追い込まれていく設定を嫌悪することなく、おもしろく乗っかっていけたんだと思います」>>Read More
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「芝居をすることで、本当の自分や感情を出せる」
林田麻里
映画『Page30』は4人の女優が戯曲『under skin』を完成させるまでの人間ドラマ。脚本は堤監督と劇団マカリスター主宰、井上テテが担当。女優が挑む劇中劇の戯曲そのものは劇団□字ックを主宰する山田佳奈が脚本を書いた。舞台の世界を最もよく知る女優・宇賀遥役を、過去に紀伊國屋演劇賞個人賞の受賞者である林田麻里が演じているのは何よりの説得力がある。遥はほかの出演者よりもこの案件の内実に詳しい風情を漂わせ、誰よりもミステリアスな存在でもある。>>Read More
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「堤監督の追加台詞に、してやられました」
広山詞葉
堤幸彦作品のヒロインたちは、「ケイゾク」の中谷美紀も、「TRICK」の仲間由紀恵も、どんな恐ろしいことが起きようと無機質な佇まいで、闇を覗き込む冷ややかさが魅力だった。だが最近は、のん扮する若い小説家が文壇の権威に復讐をもくろむ『私にふさわしいホテル』(2024年)など熱いヒロインを描くことが多くなった。きっかけは、映画監督50作目として手がけた自主制作映画『truth〜姦しき弔いの果て〜』(22年)で、事故死したある男と深く関わった3人の女が、本音をむき出しにして、誰がどう愛されたのか確認しあうドラマだった。同作をプロデュースし、主演も務めたのが広山詞葉だ。>>Read More
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「全部吐き出した後の快感と、その先に見つけた芸術」
MAAKIII
女優としての経験値はゼロに近い状態ながら、シンガーから転じたポテンシャルと爆発力はすさまじいものを持っている。堤監督から振り当てられた樹利亜役は、MAAKIIIと共通点の多い人物像だった。>>Read More

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