時代が愛する、靴とバッグ。#05 エルメスの不朽の名作に、ストラップが登場。

歴史あるメゾンには銘品があり、それは時代とともに進化を遂げる。新たな解釈からアップデートされた靴とバッグのヒストリーと、由縁ある女性たちとの物語。エルメスの歴史に育まれた名作「ケリー」の由来はモナコの故グレース・ケリー公妃だ。

- Hermès -

iPhone6も収まる便利なサイズ。幾何学柄のバンドリエール(ストラップ)でモダンな印象に。バッグ「ケリー・ミニII」(H12.5×W19×D6cm)¥966,600、バンドリエール「カヴァル」¥130,680/ともにエルメス(エルメスジャポン)

1892年、馬具工房であったエルメスから「ケリー」の原型となる鞍を入れるバッグ「オータクロア」が誕生した。その後、移動手段が馬車から自動車へと移り変わり、「オータクロア」は旅行鞄としても愛用されるようになる。当時、そのバッグに施された縫い目がすべて見えるデザインは、とても斬新で話題を呼んだとか。さらに時は流れ、多くの女性たちが社会進出して働くようになる中、その空気を敏感に感じ取った当時のメゾン3代目社長は、エルメスの伝統的なバッグ「オータクロア」を基にした女性用バッグ「サック・ア・クロア」を発表。それが後に「ケリー」と呼ばれるあの名作だ。この名の由来がモナコの故グレース・ケリー公妃なのは、あまりにも有名な話。いまでも世界中の女性の憧れである「ケリー」。今季は付け替えられるストラップが登場。小ぶりなサイズの「ケリー・ミニ」に取り付ければ、エレガンスと機能性を兼ね備えた、エルメスならではのプレシャスなバッグに変身。

Grace Patricia Kelly
グレース・パトリシア・ケリー

人気女優から一転、モナコ公妃になったグレース・ケリー。妊娠中、カメラを向けられた際、膨らんだお腹を「ケリー」でさっと隠した写真が雑誌『ライフ』のカバーを飾り、注目の的に。

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