早食いが身体に及ぼす影響とは?

Lifestyle 2024.02.28

早食いするのは健康に良くないと言われるが、何が良くないのだろうか。栄養の専門家に聞いてみた。

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早食いは健康に影響を及ぼす。photography : Maskot / Getty Images

朝、昼、晩を問わず、ものの15分で食事を平らげてしまう人は少なくない。その結果、お腹が張って苦しかったり、食後に疲労を感じたり、知らず知らずのうちに体重が増加していることもある。

膨満感

料理を素早く平らげたとしても、「空腹が満たされたと身体が認識するのに約30分かかる。小腸内のホルモンが活性化され、視床下部にメッセージを送り、そこで満腹感が生じる」と、栄養生理学者のジル・ミチューはその仕組みを説明する。つまり、10分で食事を終えても、残りの20分間はまだ空腹を感じているので食欲が衰えない。

しかも急いで食べると胃痛が起こりやすい。「消化は咀嚼の段階から始まる」と言うのは管理栄養士のレティシア・シュイッサだ。時間をかけてよく噛まないと食べ物が胃に到達した段階で十分につぶれていない。胃はそのために多くのエネルギーを使わなければならない。この余計な作業が消化不良を引き起こすのだ。これを避けるためには、食事をガツガツ詰めこまず、休み休み食べることだ。「例えば、おしゃべりをしながら食べたり、まだ空腹かどうか自問自答しながら食べたりするといい」と管理栄養士はアドバイスしてくれた。

疲労感

急いで食べると妙に疲れるのは何故だろう。「アメリカンクラブハウスサンド」と言い終える前に口の中に詰めこんでいたとしたらそのせいだ。「消化には常に多くのエネルギーが必要だ。急いで食べたものは胃に到達した段階でまだドロドロになっておらず、塊の状態なので、身体が消化吸収するのに通常よりも多くのエネルギーが必要になる。疲労感はそのせいだ」と管理栄養士は指摘した。

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なんとなくイライラするのも早食いのせい?

栄養生理学者のジル・ミチューによれば、私たちの生活の質は食事の内容だけでなく、食事の摂取方法にも左右される。「身体の神経細胞の10%は腸内にあり、消化のカギを握っている。腸が脳と直結しているのは明らかだ。早食いをすると、腸はそれに気づいて脳にメッセージを送る。すると脳は我々の気分に悪影響を及ぼす。その証拠に、きちんとゆっくり食べると、私たちは穏やかな気持ちになる。食べ方は私たちを決定づける。この段階を甘く見てはいけない」

体重増加

先述したように、早食いをすると満腹感がなかなか得られず、たくさん食べてしまいかねない。その結果どうなるかと言えば、もちろん体重の増加が起きる。「食事をきちんと楽しむには、食べ始めてから食べ終えるまで20分ほどかけるべき」と、管理栄養士のレティシア・シュイッサはアドバイスしてくれた。

まずスープやサラダから食べ始めるのもおすすめだ。「どちらもカロリーが低く、食べ始めれば満腹感につながるプロセスが始まる。メインディッシュをがっつくこともなくなるだろう。適正体重を保つためには賢いやり方だ」と栄養生理学者のジル・ミチューは言う。

もうひとつの重要なポイントは、お腹がぺこぺこの状態になるまで食事を待たないことだ。管理栄養士のレティシア・シュイッサは、「そんな状態では、5分で食べないでと説いても止めるのはとても難しい。理想は、ちょっとお腹が空いたぐらいで食事を始めることだ」

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text : Lucie Rousselle (madame.lefigaro.fr)

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