カビを避ければ食べてもOK⁉ 疑惑の食品をウイルス学者がジャッジ。

Lifestyle 2024.12.28

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パン、ジャム、チーズ、人参などに生えるカビは、必ずしも同じ衛生ルールが適用されるわけではない。photography: Dmitrii Marchenko / Getty Images

果物、野菜、その他の加工食品を、光、熱、湿気に長時間晒したままにしておくと、やがてカビが生えてしまうが、ダメージを受けた部分を切り取って、残りの部分を食べるのはセーフだろうか? 感染症を専門とするウイルス学者、オセアン・ソレルがインスタグラムで指摘するように、カビによって引き起こされる食中毒のリスクを軽視してはならない。「これらの微小な菌類は、アレルギー反応や呼吸器疾患を引き起こしたり、毒素を含んでいたりする可能性があり、その中にはアフラトキシンのように発がん性があるものもあります」と、彼女は説明する。しかし、腐敗の兆候が見られたら、どんな食品でも即ゴミ箱に捨てるべきだろうか? それはどうやらケースバイケースらしい。

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食品の質感で、対処法は異なる

まずはチーズの話から始めよう。ソレル氏によると、チーズの種類によっては汚染されにくいものもあるという。それはチーズの質感が目安になるようだ。「エメンタールのように固いチーズなら、カビの周りを2.5cmほどカットすれば、残りを食べることができます。チーズが固い場合は、菌類が深いトンネルを掘ることができないからです」と、彼女は説明する。

一方、ブリーチーズのように柔らかいチーズにはこのルールは当てはまらない。これらの食品は、多孔質で非常に水分が多く、カビの増殖を促進する環境だと彼女は強調する。従って、カビが発生したらすぐに「ゴミ箱に捨てる」のが正解だ。また、それ以外にも浸透性の高いパンや、しっとりした食感のジャムも、カビが現れたら廃棄しなければならない食品として覚えておきたい。

果物や野菜の場合ばどうだろうか? これらもすべて、質感の問題だという。「桃、キュウリ、イチゴ、トマトなど、水分の多い果物や野菜にカビが生えたら、菌が根を滑り込ませやすいため、食べずに捨てましょう。細菌はカビが生えた部分を利用して、その周囲で増殖するため、なおさら気をつけるべきです」。一方で、「人参、キャベツ、ピーマンなど、カビの生えた固い果物や野菜は、周囲約2.5cm切り取っておけば、残りは保存しておいてもよいでしょう」と彼女は付け加えている。

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衛生の基本ルールは?

それから、ソレル氏は、Instagramのキャプションに、食品のカビの増殖を最小限に抑えるためのアドバイスをいくつか提供してくれている。まず、食器棚や冷蔵庫など、食品の保管場所に関する衛生ルールだが、酢ではなく、薄めた漂白剤を使って、洗浄と消毒をする必要があると彼女は指摘する。また、二次汚染を避けるためには、スポンジ、布巾、タオル、その他の湿った布を定期的に洗って交換することも重要だ。彼女よると、これらは「菌類が好む場所」だという。

また、食べ物を保存する際は、ラップなどでしっかりと覆い、冷蔵庫の外に置いておくのは2時間以内とすること。そして、残り物の食事は3日以内に食べる。これらのルールを徹底させることで、カビによる食中毒を防ぐことができそうだ。

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From madameFIGARO.fr

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text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto

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