柑橘系の香りに若草のニュアンス! 清々しい酸味もフレッシュなソーヴィニヨン・ブランとは?
知ってちょっとためになるワイン学習帖 2024.09.12
シャルドネ、リースリングの次に、知っておくべき白ワイン用品種がソーヴィニヨン・ブラン。
vol.5 ソーヴィニヨン・ブラン
この品種をたとえるなら、大きな麦わら帽子をかぶり、洗いざらしの白いワンピースを着て草原を駆け抜ける、裸足の少女だ。
爽やかなグレープフルーツやパッションフルーツなど柑橘系の香りに、ほんのりとオーバーラップする刈ったばかりの若草のタッチ。清々しい酸味を基調とした味わいもフレッシュかつピュア。一度味わったら決して忘れることのできない、キャラの立った品種といえる。
フランスのロワール地方、特にサンセールとプイィ・フュメの二大産地が有名。ボルドー地方でも栽培されるが、セミヨンとブレンドされることが多い。新世界で最も有名な産地はニュージーランド南島のマールボロ。グレープフルーツなど柑橘系のアロマがぷんぷんに香る。
クラウディー ベイ
ソーヴィニヨン ブラン
CLOUDY BAY SAUVIGNON BLANC
国・地域 : ニュージーランド マールボロ
アルコール度数 : 13.5%
新世界を代表する、爽やかな正統派。750ml¥5,060/MHD モエ ヘネシーディアジオ(03-5217-9777)
植え始めてわずか50年にもかかわらず、いまやソーヴィニヨン・ブランの代表的産地に君臨するニュージーランドのマールボロ。特に柑橘系の香りの強さ、華やかさでは、この産地に勝るものはない。1985年創立のクラウディー ベイは、ニュージーランドにおけるソーヴィニヨン・ブランのベンチマークというべき存在。グレープフルーツやパッションフルーツの香りに満ちあふれ、ピュアな酸味とミネラル感が炸裂する。
酸味 ●●●●◯
果実味 ●●◯◯◯
ミネラル感 ●●●●◯
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パスカル・ジョリヴェ
ブラン・フュメ
PASCAL JOLIVET BLANC FUME
国・地域 : フランス ロワール
アルコール度数 : 13.5%
リッチな味わいに潜む、スモーキーなニュアンス。750ml¥4,730/エノテカ(0120-81-3634)※ヴィンテージは写真のものとは異なります
ブラン・フュメとはプイィ・フュメの別名。"フュメ"は英語でいうところの"スモーク(煙)"で、シレックス(火打ち石)土壌で栽培されるソーヴィニヨン・ブランからは、このスモーキーなニュアンスが強く出る。地球温暖化の影響か、このブラン・フュメはロワールのソーヴィニヨン・ブランとしては異例なほどのリッチネス。香りにはスモーキーなタッチが見え隠れ。テクスチャーはクリーミーで、ゴージャスな味わい。
酸味 ●●●◯◯
果実味 ●●●●◯
ミネラル感 ●●●◯◯
今月の講師
柳 忠之
ワインジャーナリスト
ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。専門誌、ライフスタイル誌等に寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
ワインを自分らしく楽しみ、食卓や日々の生活をより豊かにしたい、そんな知的好奇心の高い人に向けた新しいコミュニティ。知識が身につくワイン講座や試飲イベントの開催、ワインアドバイザーによるコンテンツを日々発信中!
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*「フィガロジャポン」2024年10月号より抜粋