旅先で出会ったトルコ風ペースト。
平野由希子の季節のおつまみ 2025.07.17
先月、南フランスに旅してきました。初夏の食をいろいろ楽しんできましたが、今回はトランジットで立ち寄ったフランクフルトで出会った「ムハンマラ」というパプリカペーストのレシピです。
空港のラウンジは私にとっては飲酒休憩の場所。フランクフルトならば、ビールとソーセージかな。と思っていたのですが、クスクス、ワイルドライスのサラダ、野菜のスパイス煮込みなど、エキゾチックでヘルシーな料理が並んでいて、上がりました。種類豊富なドイツパンの隣にはハーブとチーズのディップなどワインのおつまみにぴったりなものが数種。その中に「ムハンマラ」という呪文のような名前の初めて見る料理を発見。食べてみるとパプリカがベースのナッティーなペーストで、ワインが後を引く好みの味。
調べてみると、トルコやシリアで食べられているパプリカペーストだそう。早速、家に帰って作ってみました。ひよこ豆のフムスやナスのキャビアなどのペーストは人気の高いレシピですが、このムハンマラは甘味、酸味、辛味にクルミの風味が加わり、ワインが進む味。ロワールのドメーヌ・デ・フレールの赤ワインを合わせてみたら、カベルネフランのヴェジタルな感じがしっくり。止まらない組み合わせとなりました。夏のアペリティフに重宝しそうです。
ムハンマラ
【材料】(2人分)
パプリカ(赤) 1個
クルミ 30g
パン粉 10g
赤トウガラシ 1本
ニンニク 1/2片
オリーブオイル 大さじ2
ワインヴィネガー 大さじ1
トマトペースト 小さじ2
クミンパウダー 小さじ1/4
塩 小さじ1/3
【作り方】
⒈ パプリカは220度のオーブン、または、グリル、オーブントースターなどで表面の皮が黒く焦げるまで焼く。オーブンで焼く場合、20分が目安。赤唐辛子は水に30分〜浸けて柔らかくし、種とヘタを取り除く。
⒉ 皮をむき、種とヘタを取り除く。
⒊ 材料全てを適宜切り、フードプロセッサーに入れて滑らかになるまで撹拌する。
⒋ うつわに盛り、くるみ、ミント(分量外)などを飾る。パン、ピタパン、野菜などを添えて。
パプリカは焼いた後、5〜10分置くと、蒸らされて皮がむきやすくなる。
ブルーコーンミールで作ったトルティーヤにパクチーとともに乗せて。
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フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ma cuisine おいしさの引き出し方』などがある。instagramは@8yukiko76hirano 料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com
愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir